税金の滞納は企業にどのような影響を与える?
税金を支払うことは、憲法30条に定められている日本国民の義務です。
しかし、資金繰りの悪化などが原因となって、税金を滞納してしまう企業も少なくはありません。
では、税金を滞納してしまった場合、企業にどのような影響を与えるのでしょうか。
1.税金を滞納すると延滞税が発生する
税金には、法律によって定められた納付期限があります。
しかし、税金を滞納してしまった場合は、納付期限の翌日から税金の滞納を解消するまでの期間に応じて延滞税が課されます。
延滞税の割合は、税金を滞納している期間によって異なり、税金の納付期限の翌日から2ヶ月を経過するまでは原則として年7.3%、2ヶ月を経過後は原則として年14.6%です。
税金を滞納することで、本来支払う必要のない税金が発生するため、税金の滞納は1日でも早く解消する必要があります。
2.金融機関から融資を受けることが難しくなる
税金を滞納している場合は、金融機関から融資を受けることが難しくなります。
なぜなら、債務者が税金の滞納により資産を差し押さえられる可能性があるからです。
資産を差し押さえられると、当然債務者は返済不能になるため、金融機関側は多大な損失を受けることになります。
金融機関側は「税金を滞納している=返済能力が低い」と判断するため、税金を滞納している方が融資の審査に通過することは不可能だといえるでしょう。
税金の滞納が、信用情報機関に掲載されている情報によって金融機関側にバレてしまうことはありませんが、審査の際に納税証明書の提出を求められることが一般的であるため、税金の滞納を隠すことは不可能だといえます。
企業活動の中では、設備投資や運転資金の確保など、多額の資金調達を行わなければならないケースもあるため、税金の滞納により融資を受けることができないことは企業活動の幅を狭めてしまうことにもつながります。
3.財産を差し押さえられる
税金を滞納し、税務署などの催促にも応じなかった場合は、最終的に財産を差し押さえられることになります。
財産の差し押さえでは、不動産や銀行口座、車両など、換金することができるあらゆる資産を押収され、税金の支払いに充てられることになります。
もちろん、取引で発生した売掛債権も差し押さえの対象です。
財産を差し押さえられると、企業活動を継続していくための運転資金もなくなりますし、社会的信用を失うことにもつながります。
しかし、実際に財産を差し押さえられるまでには、督促状の送付や電話や文章による催告など、いくつかのステップが踏まれるため、税金の滞納を解消するチャンスは必ずあります。
ファクタリングは税金を滞納していても利用できる?
ファクタリングは、税金を滞納している方でも利用できる資金調達方法です。
しかし、ファクタリング会社によっては、対応していないケースもあります。
これは、財産の差し押さえにより、利用者の口座が差し押さえられ、売掛金が回収できなくなるリスクがあるからです。
特に2社間ファクタリングでは、売掛金が一度利用者に支払われるため、税金の滞納による未回収リスクが危惧されることでしょう。
とはいえ、ファクタリングの審査で重要視されるのは「売掛先の信用力」であるため、税金を滞納している場合でも利用できる可能性は十分にあります。
本章では、税金を滞納していてもファクタリングで資金調達できる理由について解説していきます。
1.ファクタリング審査では「売掛先の信用力」が重要視される
ファクタリング審査で重要視されるのは「売掛先の信用力」です。
金融機関から融資を受ける場合は、利用者自身が返済を行う必要があるため利用者の信用力が重要視されますが、ファクタリングで返済を行うのは売掛先であるため、売掛先の信用力が最も重要視されます。
そのため、ファクタリングは税金を滞納している場合でも利用可能です。
しかし、売掛先の信用力が低い場合は審査落ちしてしまう可能性もあるため、ファクタリングを利用する際は信用力が高い売掛先との債権を利用する必要があります。
2.自社の経営状況や信用情報が審査に与える影響が少ない
ファクタリングでは、自社の経営状況や信用情報が審査に与える影響が少ない傾向にあります。
なぜなら、上述したように売掛先から売掛金を回収する必要があり、審査においては売掛先の信用力が重要視されるからです。
利用者とファクタリング会社で取引を行う2社間ファクタリングにおいては、売掛金が一度利用者に支払われるため、利用者の信用力が審査に影響する場合もありますが、売掛先の信用力ほどではありません。
そのため、ファクタリングは売掛先の信用力に問題がなければ、税金を滞納している方でも利用できる可能性があります。
3.税金を滞納しているか確認するファクタリング会社はほとんどない
ファクタリング審査において、税金を滞納しているか確認するファクタリング会社はほとんどありません。
というのも、税金の滞納状況は信用情報機関に掲載されていないため、簡単に確認することができないのです。
融資の場合は、納税証明書などを提出してもらい税金の支払い状況を確認しますが、ファクタリングの場合は利用者に納税証明書の提出を求めることはほとんどありません。
ただ、利用者が税金を滞納しているケースに対応していないファクタリング会社では、税金の支払い状況を確認するために、納税証明書を提出しなければいけない場合もあります。
とはいえ、公式サイトなどで税金を滞納しているケースに対応しているか否かを確認することもできるため、ファクタリングは税金を滞納している方でも十分に利用できる可能性があります。
税金を滞納している際にファクタリングを利用するメリット
上述したように、ファクタリングは税金を滞納している方でも利用できる資金調達方法です。
税金を滞納している場合は、資金繰りの悪化だけなく、利用できる資金調達方法も限られてきます。
そのため、ファクタリングは税金を滞納している方にとって有効な資金調達方法だといえるでしょう。
本章では、税金を滞納している際にファクタリングを利用するメリットについて解説していきます。
1.最短即日で資金調達できる
ファクタリングでは最短即日で資金調達することが可能です。ファクタリングは「売掛債権の売買契約」であるため、融資よりも審査が簡易的で早い傾向にあります。
税金を滞納している場合は、一刻も早く税金の滞納を解消する必要があるため、最短即日で資金調達することができるファクタリングは有効な資金調達方法だといえるでしょう。
特に利用者とファクタリング会社のみで取引を行う2社間ファクタリングでは、ファクタリングの利用に関して売掛先から承認を得る必要がないため、よりスピーディーに資金調達を行うことができます。
2.売掛金を確実に回収することができる
ファクタリングでは、償還請求権なしの契約が主流となっているため、ファクタリング利用後に売掛金の回収が不能になった場合でも、利用者は弁済を求められることがありません。
また、利用に際して担保や保証人を立てる必要もないため、ファクタリングを利用することで売掛金を確実に回収することができます。
税金を滞納している際に売掛金が未回収となってしまった場合は、解消までの期間が長くなるため延滞税が加算されることになってしまいます。
また、税務署からの催促に対応しなかった場合は、財産を差し押さえられる可能性も考えられます。
そのため、税金を滞納している際は、売掛金を確実に回収することができるファクタリングの利用をおすすめします。
3.オンライン完結で利用することができる
各ファクタリング会社にもよりますが、ファクタリングはオンライン完結で利用することが可能です。
ファクタリング会社の数は、利用者数に比例して増加傾向にありますが、都市圏に集中している傾向にあります。
そのため、地方の方はファクタリングを利用したくても、移動に掛かる時間や費用が原因で気軽に利用できない現状がありました。
しかし、近年ではオンライン完結で利用できるファクタリングサービスも増えており、地方の方でも気軽に利用することができます。
また、オンライン完結ファクタリングでは、24時間申し込みに対応していることが多く、スピーディーに資金調達することができるため「明日中に税金滞納を解消しないと財産を差し押さえられる」などといった緊急性の高いケースでも活用することができます。
ファクタリングで税金の滞納を解消!のまとめ
今回は、税金の滞納が企業に与える影響とファクタリングを利用するメリットについて解説させていただきました。
ファクタリングは貸借契約ではなく、「売掛債権の売買契約」です。
そのため、審査では売掛先の信用力が重要視され、税金を滞納している方でも資金調達できる可能性があります。
金融機関からの融資の場合は、税金の支払い状況を確認するために納税証明書の提出を求められることが一般的であるため、税金を滞納している方は基本的に融資を受けることはできません。
税金の滞納は、企業に対していくつもの悪影響を与えるため、ファクタリングを利用して一刻も早く解消するようにしましょう。