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資金繰りとは、簡単に言えば会社の資金が不足しないようにお金のやり繰りをすることです。どの業種でも資金繰りを安定させることは容易ではありませんが、特に農業は資金繰りに多くの問題点を抱えている業種だと言われています。農業の資金繰りが悪化してしまうと、農機具を導入できない、従業員に給料を支払えないなど、様々な問題を引き起こしてしまいます。では、具体的に農業にはどのような資金繰りの問題点があるのでしょうか?
農業の方が育てている野菜やお米などの作物には季節性があるため、時期によって収入に大きな差が生まれます。例えばお米を育てている場合、収穫時期である9~10月には大きな収入が見込めるものの、冬以降は大きな収入を得ることは難しいといえます。時期によって収入に差が生じてしまうと、収入が低い時期に急な出費が発生した場合に資金繰りが悪化してしまうことも考えられます。このような状況を避けるために、収穫時期をずらしたり、複数の作物を育てるなどの対策を取っている農家の方もいますが、やはり年間を通して収入を安定させることは難しいという現状があります。
農業は数ある業種の中でも、急な出費が多い業種です。例えば、普段使用している農機具の修理費用や収穫時期の人件費用などが挙げられるでしょう。特に農機具の修理には、まとまったお金が必要となるケースが多いため、農機具の故障を想定した資金繰り計画を立てていたとしても、資金繰りが悪化してしまう可能性も否定できません。
農業は、大雨や台風など自然災害による影響が大きい業種です。自然災害による影響でその年の収入がゼロになることも珍しくありません。自然災害による被害への備えとして、多くの資金を残している方も多いかと思いますが、自然災害の規模によっては資金繰りが悪化してしまうだけでなく、立て直しが不可能となってしまう可能性もあります。このように自然災害の被害による資金繰りの悪化は、農業特有の問題点だといえます。
JAや農業組合と取引を行う場合は、売掛金が未回収となるリスクが低いため安心して取引を行うことができます。しかし、飲食店やスーパーなどと直接取引を行っている場合は、売掛先の倒産により売掛金が未回収となる可能性が高くなります。個人間取引では、JAや農業組合からの縛りがなく自由に取引を行うことができるものの、売掛金の未回収により資金繰りが悪化してしまう危険性があるのです。
農業は、国の重要な産業であることから政府や自治体は様々な補助制度を用意しています。しかし、補助制度にも予算があるため、利用できないというケースも少なくありません。そこで「融資」による資金調達を検討される方も多いかと思いますが、収入が不安定なうえ、自然災害などの影響により将来性を見極めることが難しい農業は融資を受けにくい傾向にあります。また、農業組合からの融資は金融機関からの融資よりも比較的審査に通過できる可能性は高いものの、誰でも利用できるわけではありません。このように、農業は利用できる資金調達方法が限られているため、資金繰りが悪化しやすい傾向にあるのです。
ファクタリングは、保有している売掛債権をファクタリング会社へ売却することで、売掛金本来の支払期日よりも早期に現金化することができる資金調達方法です。資金繰りに多くの問題点を抱える農業にとって、メリットの多い資金調達方法だといえます。本章では、ファクタリングが農業の資金繰り改善に最適な理由について解説していきます。
融資により資金調達を行う場合は、申し込みから入金までに数週間、長ければ2ヶ月ほど掛かってしまいます。また、提出書類が多く、申し込みを行うまでにも多大な時間・労力が必要となります。しかし、ファクタリングでは最短即日で資金調達することが可能です。売掛債権の内容や売掛先の信用力によって入金スピードは変動するものの、問題がなければ1週間以内に資金調達できる可能性が高いといえます。また、融資に申し込む場合と比べて提出書類も少ないため、準備にかかる時間・労力も最大限抑えることが可能です。ファクタリングでは、必要なタイミングで資金調達を行うことができるため、農機具の修理費用や農繁期の人件費用など、緊急を要する際の資金調達方法として活用することができます。
ファクタリングは、原則償還請求権なしの契約であるため、ファクタリング会社に売掛債権を売却した後に売掛金の回収が不可能になったとしても、弁済を求められることはありません。そのため、ファクタリングは資金調達目的だけでなく、貸し倒れリスクを防止する目的でも利用することができます。農業で個人取引を行う場合は、売掛先の倒産などにより売掛金が未回収となる危険性があるものの、ファクタリングにより貸し倒れリスクを防止することで安心して取引を行うことができます。
融資の審査では、信用情報や経営状況だけでなく、将来性も重要視されます。しかし農業は、自然災害による収入の低下など、将来性が不安視されることから融資を受けにくい傾向にあるのです。対してファクタリングは、売掛債権さえ保有していれば利用することが可能です。また、審査の際は「売掛先の信用力」が重要視されるため、税金滞納や赤字決済、債務超過となっている方でも利用できる可能性があります。実際にファクタリング業界全体の審査通過率は90%を超えているなど、ファクタリングを利用されたほとんどの方が資金調達に成功しています。
上述したように、ファクタリングを利用することで農業が抱えている資金繰りの問題点を改善することができます。しかし、農業がファクタリングを利用する際にはいくつか注意しなければいけない点もあります。本章では、農業がファクタリングを利用する際の注意点について解説していきます。
素早い資金調達が可能なファクタリングですが、融資の金利と比べて手数料が高い傾向にあります。手数料相場は、売掛債権の額面に対して2社間ファクタリングで10~30%、3社間ファクタリングで1~9%程度です。手数料だけ見るとそれほど高く感じられないかもしれませんが、金利に換算すると年利100%を超えてしまうことも珍しくありません。手数料が高い=実際に受け取ることができる金額が減るということなので、利用するファクタリング会社次第では逆に資金繰りが悪化してしまう可能性も考えられます。
ファクタリングは、金銭貸借契約ではなく「売掛債権の売買サービス」であるため、資金さえあれば誰でも開業することができます。また、ファクタリングに関する法整備は未だ整っていないため、手数料を制限する法律もありません。そのため、ファクタリング会社の中には利用者にとって不利な契約を結ぶ悪徳業者が存在します。ファクタリングを利用する際は、契約内容を必ず確認しネット上の口コミ・評判なども参考にするようにしてください。
今回は、農業が抱える資金繰りの問題点と農業がファクタリングを利用するメリット、注意点について解説させていただきました。農業は、時期によって収入に差がある、自然災害による影響が大きいなど、資金繰りが難しい業種です。また、融資なども利用しにくいことから、利用できる資金調達方法が限られています。しかし、ファクタリングであれば農業の方でも問題なく利用できる可能性が高く、素早く資金調達を行うことができます。そのため、ファクタリングは資金繰りに問題を抱えている農業の方にとって最適な資金調達方法だといえるでしょう。