不動産業が抱えている資金繰りの問題点
不動産業は入居者さえ確保できれば、毎月安定した売上を上げることができるため、比較的経営が行いやすいといわれています。
しかし、入居者不足や賃料の未払い、突発的な出費などが原因となって資金繰りが悪化してしまうことも珍しくはありません。
本章では、不動産業が抱えている資金繰りの問題点を3つご紹介します。
1.入居者不足
不動産業は、入居者さえ確保できれば毎月安定した売上を上げることが可能です。
しかし、入居者を確保できない状況が続けば資金繰りの悪化につながります。
近年、日本では人口減少が問題視されていると同時に、不動産の空室率も右肩上がりの状態です。
国土交通省が5年ごとに実施している「住宅・土地統計調査」によると、最新となる平成30年度の調査において、日本全国の空き家の総数は約849万戸、全不動産に対する空き家率は13.6%となっており、過去最高を記録しています。
入居者不足によって資金繰りが悪化している場合は、入居者を確保するための施策を行うと同時に、売上が安定するまでの資金を調達する必要があります。
2.賃料の未払い
不動産業は、入居者を確保できたとしても賃料の未払いで資金繰りが悪化してしまう可能性があります。
未払いを続ける入居者に対して、支払いの催促や強制退去の要請を行うこともできますが、入居者が応じなかった場合は民事調停を申し立てる必要があるため、すぐに賃料を回収することはできません。
また、入居者側から異議申し立てがあった場合は訴訟にまで発展するため、弁護士費用などが必要となります。
しかし、賃料回収までの運転資金や弁護士費用を確保できていなければ、資金繰りが悪化してしまい経営困難に陥ってしまう可能性も考えられます。
不動産業が確実に賃料を回収するためには、保証会社を介して契約を行うことやファクタリングを利用して賃料を早期に現金化しておく必要があるでしょう。
3.突発的な出費が多い
突発的な出費が多いことも、不動産業が抱えている資金繰り問題の1つです。
建物は時間の経過とともに老朽化が進むため、さまざまな箇所に傷みが生じる可能性があります。
入居者が原因となった傷みでなければ、不動産を保有している側が修繕費用を支払わなければいけません。
また、建物の築年数が古くなればなるほど、入居者を確保することが難しくなるため、定期的なリフォームも必要になります。
このように、不動産業は突発的に多額の資金が必要になるケースが多いため、素早く資金調達できる手段を確保しておく必要があるでしょう。
不動産業でもファクタリングの利用は可能!【活用例】
ファクタリングは、保有する売掛債権をファクタリング会社に売却することで、支払期日よりも早期に現金化することができる資金調達方法です。
ファクタリングを利用するには、売掛債権を保有していることが最低条件となりますが、不動産業における家賃やテナント料などの「賃料」や毎月の「管理費」なども売掛債権とみなされることから、不動産業でもファクタリングを利用することができます。
むしろ、不動産業が保有する売掛債権は、支払金額や支払期日が毎月一定であり、比較的安定していることから、好条件でファクタリングを利用できる可能性が高いです。
本章では、不動産業におけるファクタリングの活用例をご紹介します。
1.入居者不足や賃料の未払いによって資金繰りが悪化しているとき
不動産業を営むうえで、入居者不足や賃料の未払いによって資金繰りが悪化してしまうことは珍しくありません。
入居者を確保できなければ、毎月安定した売上を上げることができず、資金ショートを引き起こす可能性があります。
また、入居者を十分に確保できている場合でも、入居者から賃料を回収することができなければ、資金繰りが悪化してしまうことになります。
しかし、ファクタリングを利用することで支払われる予定の売掛金(家賃や管理費など)を早期に現金化することができるため、入居者不足や賃料の未払いによる資金繰りの悪化を改善することができます。
2.修繕費用やリフォーム費用が発生した際に手元資金が不足しているとき
不動産業では、修繕費用やリフォーム費用など、多額の出費が発生するケースがあります。
修繕費用やリフォーム費用は、入居者を確保するために必要な維持費用であるものの、建物の老朽化が進み大規模な修繕・リフォームが必要な場合は、多額の出費が発生してしまうため、資金繰りが悪化してしまう可能性があります。
とはいえ、手元資金が不足しているからといって修繕やリフォームを行わなければ、十分な入居者を確保することができなくなるでしょう。
しかし、ファクタリングを利用することで修繕費用やリフォーム費用を調達することができます。
また、ファクタリングでは最短即日で資金調達することができるため、突発的に修繕費用やリフォーム費用が発生した場合でも、対応可能です。
そのため、修繕費用やリフォーム費用が発生した際に手元資金が不足しているときでも、ファクタリングを利用することで不足している資金の調達や資金繰りの改善を行うことができます。
不動産業がファクタリングを利用する5つのメリット
不動産業は、保有している不動産を担保に設定できることから、融資による資金調達が主流となっています。
しかし、融資による資金調達は入金までに時間を要することから、突発的な出費に対応することは難しいといえるでしょう。
そこでおすすめなのがファクタリングです。
ファクタリングには、入金スピードをはじめとした多くのメリットがあります。
本章では、不動産業がファクタリングを利用する5つのメリットについて解説していきます。
1.最短即日で資金調達できる
ファクタリングでは、最短即日で資金調達を行うことが可能です。
利用するファクタリング会社や契約方式、審査内容によっては、最短即日での資金調達が難しいこともありますが、ほとんどの場合は1週間以内には資金調達することができます。
他の資金調達方法よりも素早く資金調達することができることから、不動産業が抱えている資金繰り問題の1つである修繕費用やリフォーム費用などの突発的な出費にも活用することができます。
また、利用に際しての提出書類が少ないことやオンライン完結で利用できることなど、利用者の負担が少ない点もファクタリングのメリットだといえるでしょう。
2.審査に通過できる可能性が高い
不動産業は、ファクタリングの審査に通過できる可能性が極めて高いです。
ファクタリングの審査では、利用者の信用情報や経営状況を重視する融資とは異なり、売掛先の信用力が重視されます。
不動産業における売掛先は、家賃やテナント料を支払う入居者となりますが、家賃やテナント料が毎月一定の金額であるうえ、入居者が支払を実行する確率が高いことから、未回収リスクの低い売掛債権だと判断されやすいです。
そのため、不動産業が保有する売掛債権は、他の業種に比べてファクタリングの審査に通過できる可能性が高い傾向にあります。
資金調達手段に困った際に、気軽に利用できるファクタリングがあることは、不動産業にとってメリットとなるでしょう。
3.確実に家賃・テナント料を回収できる
不動産業は、ファクタリングを利用することで確実に家賃・テナント料を回収することができます。
というのも、ファクタリングは償還請求権なしの契約が主流となっており、ファクタリング取引後に売掛先が支払不能になった場合でも、利用者は弁済を求められることがありません。
不動産の場合では、家賃やテナント料の未払いが起きたとしても、ファクタリング会社から滞納分を請求されることがないため、確実に家賃・テナント料を回収することができます。
つまり、不動産業はファクタリングを利用することで、家賃やテナント料の未回収リスクを軽減することができるのです。
4.低い手数料で利用できる
不動産業は、他の業種と比べて低い手数料でファクタリングを利用することができます。
ファクタリングの手数料相場は、2社間ファクタリングで10%~20%、3社間ファクタリングで1%~9%と高い傾向にありますが、不動産業が保有する売掛債権は信用力が高く未回収リスクが低いことから、手数料が低く設定される傾向にあります。
手数料が低ければ、売掛債権の額面に対してより多くの資金を調達することができるため、資金繰りの改善や新しい不動産の購入などに活用することができます。
5.貸借対照表への悪影響がない
ファクタリングを利用して資金調達をしたとしても、貸借対照表への悪影響はありません。
融資による資金調達を行った場合は、負債額が増え、貸借対照表の肥大化を招いてしまう可能性があります。
しかし、ファクタリングで調達した資金は負債に該当せず、オフバランス化することができるため、貸借対照表への悪影響を及ぼす心配はありません。
むしろ、ファクタリングで調達した資金を負債の返済に充てることによって、貸借対照表をスリム化することができ、企業価値を高めることができます。
企業価値を高めることによって、多額の融資を受けることも可能になるため、ファクタリングは不動産業にとってメリットのある資金調達方法だといえます。
不動産業がファクタリングを利用する際の注意点
ファクタリングは不動産業に多くのメリットをもたらす資金調達方法です。
しかし、利用に際してはいくつかの注意点を理解しておく必要があります。
自社にとって適切な資金調達方法を選ぶための判断基準にもなるので、以下で解説する内容は必ず理解するようにしてください。
本章では、不動産業がファクタリングを利用する際の注意点について解説していきます。
1.調達できる金額に上限がある
ファクタリングは、保有する売掛債権を早期に現金化する資金調達方法であるため、売掛債権の額面以上の資金調達を行うことはできません。
また、利用の際には必ず手数料が発生するため、実際に調達できる金額は売掛債権の額面以下になります。
そのため、資金調達しなければならない金額が、売掛債権の額面を上回っている場合は、十分な金額を調達することができないのです。
このように、調達できる金額に上限があることは、不動産業に限らず利用者にとってデメリットだといえるでしょう。
2.基本的に2社間ファクタリングしか利用できない
ファクタリングには、利用者とファクタリング会社で取引を行う「2社間ファクタリング」と売掛先も取引に参加する「3社間ファクタリング」の2種類の契約方式があります。
ほとんどの業種では、どちらかの契約方式を選択することが可能ですが、不動産業の場合は基本的に2社間ファクタリングしか利用することができません。
なぜなら、賃貸事業を行っている不動産業の売掛先は入居者であり、入居者に対してファクタリング取引への参加を求めることは現実的ではないからです。
2社間ファクタリングよりも手数料を抑えることができる3社間ファクタリングを利用できないことはデメリットだといえるでしょう。
不動産業がファクタリングを利用するメリットとは?のまとめ
今回は、不動産業がファクタリングを利用するメリットや活用例、注意点について解説させて頂きました。
本記事の内容をまとめると以下のとおりです。
不動産業はファクタリングの審査に通過できる可能性が高いうえ、他業種に比べて手数料が低い傾向にある
不動産業はファクタリングを利用することで確実に賃料を回収できる
修繕やリフォームの必要資金が不足している場合でも最短即日で資金調達できる
不動産業は基本的に2社間ファクタリングしか利用できない
ファクタリングは不動産業にとってメリットの多い資金調達方法
不動産業が保有する売掛債権は、ファクタリングの審査において高い評価を得られる可能性が高いです。
そのため、手数料や入金スピードなど、好条件でファクタリングを利用することができます。
不動産業で資金調達方法にお悩みの方は、ぜひファクタリングのご利用をご検討ください。