ファクタリング業界には悪質なファクタリング会社が存在する
残念なことに、ファクタリング業界には悪質なファクタリング会社が存在します。
悪質なファクタリング会社は、ファクタリングという名目で貸付を行ったり、相場を超える高額な手数料を請求するなど、利用者にとってデメリットの大きい契約を結ぼうとします。
悪質なファクタリング会社に関しては、金融庁が注意喚起を行っており、実際に摘発された事例も多くありますが、すべての悪質なファクタリング会社が無くなったわけではありません。
悪質なファクタリング会社を利用してしまうと、資金繰りの改善はおろか、高額な手数料や違法な契約により、倒産に陥ってしまう可能性もあります。
資金さえあれば誰でも開業することができる
悪質なファクタリング会社が存在する理由の1つとして、資金さえあれば誰でも開業できることが挙げられます。
ファクタリングの契約形態は、「貸付」ではなく「売買」です。
そのため、開業に際して貸金業登録を行う必要がなく、資金さえあれば誰でも開業することができます。
ただ、給料ファクタリングは貸金業にあたるため、貸金業登録を行う必要があります。
利息制限法が適応されない
悪質なファクタリング会社が存在する理由の1つとして、ファクタリングが利息制限法の適応外であることが挙げられます。
ファクタリングは貸金業ではないため、融資などの上限利息を定めている利息制限法が適応されません。
そのため、ファクタリング会社がどれだけ高額な手数料を設定したとしても、違法にはならないのです。
ただ、ファクタリングの手数料相場は、2社間ファクタリングで10%~20%、3社間ファクタリングで1%~9%ほどであるため、それ以上の手数料を請求してくるファクタリング会社は、悪質なファクタリング会社である可能性が高いと判断することができます。
悪質なファクタリング会社の特徴
悪質なファクタリング会社の利用を避けるためには、悪質なファクタリング会社の特徴を理解しておく必要があります。
本章では、悪質なファクタリング会社の特徴を5つご紹介します。
1.公開されている会社情報が少ない
ホームページなどで公開されている会社情報が少ないファクタリング会社は、悪質なファクタリング会社である可能性が高いです。
一般的なファクタリング会社であれば、会社の住所や電話番号はもちろん、代表取締役の氏名や資本金など、会社情報を詳細に公開しています。
しかし、悪質なファクタリング会社は利用者からの訴訟や警察の捜査から逃れるために、会社情報を公開しない傾向にあります。
また、会社の住所を公開している場合でも、架空の住所を使用しているケースもあるため注意が必要です。
2.融資を勧めてくる
ファクタリングの申し込みを行ったにも関わらず、融資を勧めてくる場合は、悪質なファクタリング会社の可能性が高いです。
悪質なファクタリング会社は、資金繰りに困窮している利用者をねらい、利息制限法の範囲を超える高金利で融資を行おうとします。
融資自体は、貸金業登録を行っているファクタリング会社であれば違法にはなりませんが、貸金業登録を行っていない場合は違法となります。
大前提、一般的なファクタリング会社であれば、ファクタリングを希望している利用者に対して、融資を勧めることはありません。
そのため、ファクタリングの申し込みを行ったにも関わらず、融資を勧められた場合は、悪質なファクタリング会社だと判断したほうがよいでしょう。
3.償還請求権のある契約を結ぼうとしてくる
償還請求権とは、ファクタリング取引後に売掛金が未回収になった場合、ファクタリング会社側が利用者に対して弁済を求めることができる権利のことです。
ファクタリング取引では、償還請求権なしの契約が主流となっており、償還請求権ありの契約は「売掛債権を担保とした融資(ABL)」にあたるため、貸金業登録が必要となります。
貸金業登録を行っていないにも関わらず、償還請求権ありの契約を結ぶことは違法です。
利用を検討しているファクタリング会社が、貸金業登録を行っていないにも関わらず、償還請求権ありの契約を提示してきた場合は、悪質なファクタリング会社の可能性が高いといえるでしょう。
4.相場よりも手数料が高い
悪質なファクタリング会社は、相場よりも高額な手数料を請求してくるケースが多いです。
一般的なファクタリングの手数料相場は、2社間ファクタリングで10%~20%、3社間ファクタリングで1%~9%ほどです。
売掛先の信用力や債権の内容にもよりますが、ファクタリングでは基本的に相場内の手数料を請求されます。
しかし、相場よりも高額な手数料を請求された場合は、悪質なファクタリング会社である可能性が高いです。
ファクタリングを高額な手数料で利用した場合は、かえって資金繰りを悪化させることになるため、注意が必要です。
5.契約書がない/契約内容が事実とは異なる
悪質なファクタリング会社は、一般的に契約書を作成しません。
なぜなら、違法な契約を結んだ事実や法外な手数料を請求した事実が証拠として残るからです。
また、ファクタリングの申し込みを行ったのに「金銭消費貸借契約」となっている場合や償還請求権ありの契約となっている場合も悪質なファクタリング会社である可能性が高いです。
ファクタリングは契約の詳細が法律によって明確にされていないため、契約書の存在は非常に重要になります。
契約書がなければ、悪質なファクタリング会社との取引を裁判所に証明することが難しく、損失を受けてしまう可能性もあります。
契約書がないまたは契約書の内容が事実と異なる場合は、悪質なファクタリング会社である可能性が高いといえます。
悪質ではない安全なファクタリング会社の特徴
悪質なファクタリング会社の存在から、ファクタリングの利用を悩まれている方も多いのではないでしょうか。
しかし、ファクタリング自体は経済産業省も利用を推奨している資金調達方法であり、安全なファクタリング会社は多数あります。
本章では、悪質ではない安全なファクタリング会社の特徴について解説していきます。
1.契約書がある
安全なファクタリング会社には必ず契約書があります。
また、契約内容や今後の流れについて詳しく説明してくれるため、安心して利用することができます。
ファクタリングを利用する際は、契約内容の全文に目を通し、きちんと売買契約が結ばれているか、償還請求権なしの契約であることが明記されているかなどを確認するようにしましょう。
契約書の確認を怠ってしまうと、実は金銭消費貸借契約が結ばれており、高金利の利息を請求されるなど、トラブルに巻き込まれる可能性が高くなってしまいます。
2.手数料が相場内である
安全なファクタリング会社は、基本的に相場内の手数料でファクタリングサービスを提供しています。
ファクタリングは利息制限法が適応されないため、どれだけ高額な手数料を請求したとしても違法にはなりません。
しかし、安全なファクタリング会社であれば、2社間ファクタリングで10%~20%、3社間ファクタリングで1%~9%と相場内の手数料を請求するはずです。
そのため、ファクタリングを利用する際は、手数料が相場内であるかを確認するようにしましょう。
3.会社情報が詳細に公開されている
安全なファクタリング会社は、会社情報を詳細に公開しています。
運営元の企業名をはじめ、住所や電話番号、代表取締役の氏名など、利用者が安心できる情報を公開していることが一般的です。
ただ、会社情報を詳細に公開しているファクタリング会社であっても、架空の情報を公開している可能性もあるため、注意が必要です。
ファクタリング会社が公開している会社情報の信ぴょう性を確かめるためには、住所をGoogleマップで確認してみたり、口コミ・評判なども確認する必要があります。
4.対応品質が良い
安全なファクタリング会社は、対応品質が良いです。
社員に対してきちんとした教育を行っているため、利用者の悩みや疑問点に対して、真剣に対応してくれます。
また、申し込みから入金までの手続きをスムーズに進めることができるため、結果として素早く資金調達することができます。
一方、悪質なファクタリング会社は対応品質が悪い傾向にあります。
場合によっては、利用者からの質問に対して明確な回答を行えないことも珍しくありません。
ファクタリング会社の対応品質を利用前に確認することは難しいですが、ネット上の口コミ・評判などを参考にするようにしましょう。
5.豊富な実績がある
安全なファクタリング会社には、豊富な実績があります。
安全なファクタリング会社が提供しているファクタリングサービスは、利用者の満足度が高く、良い口コミや評判が多い傾向にあります。
そのため、ホームページなどで実績を公表しているファクタリング会社や良い口コミ・評判が多いファクタリング会社はおすすめです。
豊富な実績があるファクタリング会社は、悪質な行為を行う可能性が極めて低いため、安心して利用することができるでしょう。
悪質なファクタリング会社には要注意!のまとめ
今回は、悪質なファクタリング会社と安全なファクタリング会社、それぞれの特徴について解説させていただきました。
ファクタリングは、経済産業省も利用を推奨している資金調達方法です。
ただ、法整備が進んでいないことから、違法な契約や高額な手数料を請求する悪質なファクタリング会社も存在します。
安全にファクタリングを利用するためには、本記事で解説した内容をよく理解し、悪質なファクタリング会社を見極めることが重要です。
悪質なファクタリング会社の利用は避け、安心して利用できるファクタリング会社を見つけてみましょう。