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輸出ファクタリングは海外貿易の「保険」!リスクヘッジのための手段として認識しよう!

日本企業は世界各国と貿易をしています。特に輸出業を行っている企業にとっては、しっかりお金を支払ってもらうことが何より大切です。商慣習や文化が異なる海外企業とのやり取りでは、時に売掛金の回収が滞る、できないという事態が発生します。

売掛金の回収ができなければ、輸出業を営む企業にとっては死活問題です。そのため、売掛金回収のリスクヘッジのために用いられているのが「輸出ファクタリング」あるいは「国際ファクタリング」という仕組みです(本稿では「輸出ファクタリング」で統一します)。

今回は海外貿易、特に輸出業にとってのリスクマネジメントの1つとして「輸出ファクタリング」を紹介します。

輸出ファクタリングは「4社間ファクタリング」

国際ファクタリングは既存のファクタリングとは異なる仕組み、構図を持っています。

通常のファクタリングは「2社間ファクタリング」(手数料高い、売掛先にバレない)か「3社間ファクタリング」(手数料低い、売掛先にバレる)のどちらかになりますが、輸出ファクタリングはそれらとは異なります。

輸出ファクタリングは 輸出業者→国内のファクタリング会社→海外のファクタリング会社→輸入業者 のそれぞれを介して行う実質「4社間ファクタリング」になります。

輸入業者(外国の会社、売掛先)に対して、現地のファクタリング会社が連絡をして、ファクタリングを行う旨の了解を得ます。 先方の了解をもとにファクタリング契約を結び、必要に応じて売掛金を期日到来前にファクタリング会社が買い取り現金化し、手数料を引いて、輸出業者(債権者)に渡すシステムです。

輸出ファクタリングの目的はほかのファクタリングとは異なる

輸出ファクタリングは資金調達に困ったときの即時現金化が主目的ではなく、日本企業とは異なる(よくわからない)海外企業の「売掛金回収についてのリスクヘッジ」と「輸入企業の信用調査」が主目的となります。

自社の急な資金調達ではなく、安定した取引をするリスクヘッジとして用いられます。 輸出ファクタリングは保険のようなものなので、即売掛債権を買い取って現金化するものではなく、バイヤー(輸入業者)からの支払いが滞った(通常90日程度)場合、ファクタリング会社が請求書(インボイス)の100%、全額を買い取ってくれるというシステムです。

他のファクタリングのように、資金繰りに困って買取を依頼するというより、支払いをしてくれない場合の保険として利用するという意味合いが強くなっています。

ここは他のファクタリングとは大きく違うので注意してください。またファクタリングを行うことで取引先(バイヤー、輸入業者)の心証が悪くなることも少ないです。 取引先から見ると

・通常のファクタリング→相手(債権者、売主)の経営状態が芳しくない、相手が信用できない

・国際ファクタリング→自社が信用されていない

となるのでむしろ、評判を上げるように前向きに取り組んでくれるはずです。

輸出ファクタリングの流れ

輸出ファクタリングを行う際の大きな流れは以下になります。

1.ファクタリング会社に輸出企業(日本の会社)が申し込む

2.日本のファクタリング会社は海外ファクタリング会社に連絡し、輸入企業の信用情報を調査実施

3.輸入企業の信用情報に特段の問題がなければ、海外のファクタリング会社が支払い保証を引き受ける(信用保証の引受受領)

4.商品船積み後、輸入企業が海外のファクタリング会社へ支払いをする

5.海外のファクタリング会社から、国内のファクタリング会社へ支払いをする

6.国内のファクタリング会社から輸出企業へ支払いをする

商品の船積みが確認できたことを条件に、輸入業者が売掛金を「前払い」するようなシステムです。これにより、輸出業者は多少の手数料を引かれるものの、商品の船積みが終われば代金を手にすることができます。 ファクタリングを依頼する際の書類は、インボイス(請求書)に加えて、海外に出荷していることを証明する書類(B/L=船荷証券)の提出のみでOKで、非常に簡便な手続きの中でファクタリング契約をすることができます。

手数料はそれほど高くなく0.7%~2%(毎月)となっています。

輸出ファクタリングの付随効果

また、依頼主(債権者)が日本のファクタリング会社に輸出ファクタリングを申し込むと、日本のファクタリングは現地のファクタリング会社に連絡します。 現地のファクタリング会社はその時に輸入業者(バイヤー、海外企業の売掛先)の信用度調査も併せて行ってくれます。これは国内の通常の一括ファクタリングにはないサービスです。ここで怪しい会社、信用できないと判断されれば、輸出業者(依頼主)に注意が行きます。本当にこのバイヤーと取引していいのか判断する材料になります。

輸出ファクタリングのメリットとデメリット

輸出ファクタリングを行うことで得られるメリットとデメリットをまとめました。

輸出ファクタリングのメリット

まずメリットを挙げます。

売掛金、輸出債権の回収を確実にできる

輸出ファクタリングは売掛金回収漏れがないようにする保険のようなものです。相手の売掛先の信用調査を行い、リスクが低いと判断しファクタリングが認められたのに回収不能になる場合、ファクタリング会社が責任をもって売掛金相当額をお支払いします。売掛金の回収が確実にできます。

取引先企業の信用調査が可能

輸出ファクタリングでは、ファクタリング先外国企業の信用調査を契約の過程で行います。信用調査についての料金は格安です。信用調査は現地ファクタリング会社が代行してくれますので、与信管理が楽にできます。

信用状取引よりも手続きが簡便

こちらは後述しますが、従来の売掛金保証手段であった信用状取引(L/C)よりも手続きが簡略化されています。

3国間取引にも使える

輸出ファクタリングは「3国間貿易」にも利用可能です。信用状取引も可能ですが、手続きに時間がかかります。簡便な流れで3国間取引の際の売掛金を保証します。

売掛債権の回収を外注できる

海外のファクタリング会社が債務不履行になった場合の売掛金回収業務を代行してくれます。自社として、海外に出向いたり、やり取りしたりする手間がかかりません。 結果的に安心してお任せすることができます。

輸出ファクタリングのデメリット

一方、デメリットもあるので押さえておきましょう。

手数料が信用状取引よりも高い

後述の信用状取引と比較し、手数料が割高になっています。 輸出ファクタリング:代金の0.7%~2%(毎月)、信用調査費約1万円 信用状取引:代金の高くて1% 約倍違います。もし費用面だけを考えるならば、輸出ファクタリングよりも信用状取引になります。

時間がかかる

信用状取引と比較して、輸出ファクタリングは時間や手続きの手間がかかります。

輸出ファクタリングを取り扱っている会社が少ない

ファクタリング会社はたくさんありますが、輸出ファクタリングを取り扱っている会社は都銀系の3社のみです。選択肢は限られますが、信頼と実績のある都銀系会社なので、そこまでのデメリットにはならないかもしれません。

<輸出ファクタリングを取り扱っている会社>

・三菱UFJファクター

・みずほファクター

・SMBC(三井住友銀行)

信用状取引との比較

海外との貿易における売掛金回収やリスクヘッジの際、これまでは「信用状」という手法が用いられていました。ファクタリングとは異なるシステムです。

信用状取引の概要

通常、輸出代金を回収する際には、輸出国の銀行の信用状「L/C」(取消不能信用状(Irrevocable Letter of Credit、保証状(Letter of Guarantee、Stand-by Letter of Credit)を手に入れた後取引を行います。信用状取引とも呼ばれます。

信用状があれば、輸出先から支払いがなされない場合、信用状を発行した銀行等から保証を受けることができます。そのほかにも、輸出貿易保険等を利用こともあります。

しかし、信用状の発行を待てない取引の場合などは、契約書を交わしていたとしても(日本企業ではないので)、契約が履行されないケースもあり、「信用取引」に近い状態になります。

手数料は「保証料」名義で約0.5~1.0%/年、加えて「電信料」として約1万円程度、最後に為替手数料がかかりますが、輸出ファクタリングのおおむね半額程度となっていて、手数料が安いのが特徴です。

信用状取引の仕組みを利用すれば、低リスク、低コストで資金保証が可能ですが、対象となる海外企業は多くなく、海外の中小企業や個人の場合、これが使えません。 そうした有象無象の海外の売掛先を含めて、信用状取引では売上を回収できない場合のリスクヘッジとして活用されるのが「輸出ファクタリング」(国際ファクタリング)の仕組みになります。 日本企業のように真面目な会社ばかりではなく、ある程度「性悪説」に立って資金回収の方策を練る必要があります。

輸出ファクタリングと信用状取引の違いを比較

輸出ファクタリングと信用状取引にはいくつか異なる点があります。

信用状取引の特徴

信用状取引は、利用する際に与信審査が必要であり、1か所でも不備があると、信用状の作成ができません。銀行の信用も書類が完璧に仕上がっていることが前提になります。 与信審査の対象は輸出企業(日本の債権者)であり、輸入企業には信用状取引の事実が通知されるのみで、「同意」は必要ありません。 輸入企業の不払いなど、不利益が生じた場合、損害を受けるのは、信用状を発行した銀行になります。 また、船積書類(B/L)が銀行経由なので、書類到着が遅くなることがあります。

輸出ファクタリングの特徴

一方、輸出ファクタリングの場合、与信審査の対象は、海外の輸入企業(売掛先)になります。

これは、ファクタリングの性質上、売掛債権の買取になるので、売掛先からファクタリング会社が回収できるかどうかが重視されるためです。 輸出ファクタリングは、信用状取引ほど時間はかかりません。債権は明確に存在するので、それを買い取って現金化するまでに時間はかかりません。手数料は信用状取引と比べると約倍ですが、その他のファクタリングと比較すると全然高くありません。 与信審査が入るので、ファクタリングの中では回収不能になるリスクが低くなっています。

輸出ファクタリングと信用状取引の大きな違いは・・・

輸出ファクタリングと信用状取引について述べましたが、両者の違いは端的に述べると

・輸出ファクタリング:売掛先の支払い能力を調査し、売掛金を売掛先(輸入業者)から回収する

・信用状取引:売掛金を担保とした貸付 になります。

信用状取引は融資の枠組みであり、輸出ファクタリングは債権譲渡(売買)です。ファクタリング全般と融資の違いでもそうですが、融資の方が法的規制や法的保護が整備されています。 ファクタリングについては、法制度が追い付いていない面があり、利用者(日本の債権者)保護について一抹の不安が残ります。ただし、輸出ファクタリングを実施しているファクタリング会社は大手銀行系しかないので、よくわからない会社が参入している通常のファクタリングよりは安心感があります。

海外企業との取引はリスクヘッジが不可欠!多様なリスクヘッジの1つとして輸出ファクタリングを!

海外企業との取引は、商慣習、文化の違いや災害、紛争などにより、いきなり予期しない事態に陥る可能性が否定できません。 売掛先からの債権回収のリスクヘッジの方法の1つとして輸出ファクタリングが使えないか検討してください。 信用状取引と比較し、より好ましいものを選択しましょう。円安傾向で輸出産業にとっては追い風が吹いています。この好機を生かすべく、積極的な海外取引の推進、および輸出ファクタリングの検討をしてください。

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