投資を目的としたファクタリングとは?
ファクタリングとは、保有している売掛債権をファクタリング会社へ売却することで、売掛金本来の支払期日よりも早期に現金化することができる資金調達方法です。支払いサイトを短縮することができるため、一般的には資金繰りの悪化や急な支払いが発生した場合など、急を要する場合に利用されることが多い傾向にあります。一方投資を目的としたファクタリングでは、早期に現金化した資金を投資に回すことで業績をさらに伸ばすことが可能です。ただし、ファクタリングを利用する際は必ず手数料が発生するため、手数料以上のリターンが見込める投資をする必要があります。
ファクタリングが投資の資金調達に向いている理由
ファクタリングは比較的新しい資金調達方法であるため、利用に不安を抱かれている方も多いのではないでしょうか。しかし、近年では金融庁も利用を推奨するほど注目を集めており、利用者数・ファクタリング会社ともに増加傾向にあります。本章では、そのようなファクタリングが投資の資金調達に向いている理由について解説していきます。
1.入金スピードが早い
ファクタリングは融資とは異なり”売掛債権の売買サービス”であるため、入金スピードが早い傾向にあります。ファクタリング会社によっては最短即日で資金調達することも可能であるうえ、負債として計上されることがないなど、投資を目的とした資金調達としてはとても有効です。売掛先も取引に参加する3社間ファクタリングでは、ファクタリングの利用に関して売掛先から承認を得る必要があるため、資金調達に3日~1週間ほどかかってしまいます。ただし、利用者とファクタリング会社のみで取引を行う2社間ファクタリングでは、ファクタリングの利用に関して売掛先から承認を得る必要がないため、最短即日で資金調達することが可能です。このようにファクタリングは、資金調達までに数週間~数カ月ほどかかる融資と比べて格段に入金スピードが早いため、投資の資金調達に向いているといえるでしょう。
2.自社の信用情報が審査に影響しない
ファクタリング審査では、自社の信用情報が審査に影響を及ぼすことがありません。融資の場合は、利用者の信用情報や経営状況に関して詳しく審査を行います。一方ファクタリングでは、売掛先の信用情報や経営状況、債権の内容が重要視されます。そのため、自社の信用情報に不安を抱いている方でも、売掛先の信用力や債権の内容に問題がなければ、ファクタリングを利用することは可能です。特に赤字決済や税金滞納を経験したことのある方など、資金調達方法が限られている方にとっては、唯一無二の資金調達方法だといえるのではないでしょうか。
3.使用用途に制限がない
融資の場合は、借入れた資金の使用用途に関して細かく制限があり、それ以外に利用することができません。つまり、運転資金の確保という名目で借入れた資金は投資に利用することはできないのです。一方ファクタリングでは、調達した資金の使用用途に制限がないうえ、ファクタリング会社へ資金の使い道に関して説明を行う必要もありません。そのため、投資だけでなく資金繰りの改善など、様々な場面で調達した資金を活用することが可能です。
4.返済義務が発生しない
融資の場合は、借入れた資金に対して返済義務が発生するため、長期的に借入先に対して返済を行う必要があります。返済には「年間○○%」という形で利息が発生するため、投資を目的とした資金調達では、毎月利息以上のリターンを得る必要があります。一方ファクタリングは借入ではなく”売掛債権の売買サービス”であるため、返済義務が発生しません。利用時に手数料が発生するものの、毎月利息以上のリターンを出さなければいけないというプレッシャーがないことは、投資を目的とした資金調達に向いている理由の1つだといえるでしょう。
ファクタリングを投資目的で利用する際の注意点
上述したように、ファクタリングは投資に向いている資金調達方法だといえます。しかし、その反面注意点も存在します。投資目的でファクタリングを利用する際は、注意点を理解したうえで利用するようにしましょう。本章では、投資目的でファクタリングを利用する際の注意点について解説していきます。
1.手数料が高い
ファクタリングでは、売掛債権の額面から手数料を差し引いた金額を受け取ることが可能です。ただし、ファクタリングの手数料は融資などと比べると高い傾向にあるため、売掛金本来の支払期日に受け取ることができる予定だった金額と比べると、かなり少なくなってしまう可能性があります。そのため、投資目的でファクタリングを利用する際は、手数料以上のリターンが見込めることが大前提です。また、ファクタリングに関する法整備は未だ整っておらず、利息制限法のような手数料を制限する法律がないため、相場を超える高額な手数料を請求する悪徳業者が存在します。そのため、投資目的でファクタリングを利用する場合は、実績が豊富で手数料に関して良心的なファクタリング会社を選ぶことが重要です。
2.売掛先との関係が悪化する可能性がある
3社間ファクタリングでは、ファクタリングの利用に関して売掛先から承認を得る必要があるため、ファクタリングの利用が売掛先に知られることになります。上述したように、ファクタリングは金融庁も利用を推奨するほど安全な資金調達方法ですが、比較的新しいサービスであるため、不信感を抱いている方も少なくありません。そのため、ファクタリングを利用することで、売掛先との関係が悪化してしまう可能性も考えられるでしょう。ファクタリングの利用に関して売掛先に知られたくない場合は、利用者とファクタリング会社のみで取引を完結することができる「2社間ファクタリング」のご利用をおすすめします。2社間ファクタリングは3社間ファクタリングよりも手数料が高い傾向にあるものの、売掛先の知られることなくスピーディーに資金調達を行うことができます。
3.資金繰りが悪化してしまう可能性がある
上述したように、ファクタリング利用時には必ず手数料が発生するため、投資によってそれ以上のリターンが見込めることが大前提です。しかしながら、ファクタリングで調達した資金を投資に回し、手数料以上のリターンを得ることができなければ、資金繰りが悪化してしまう可能性があります。これは投資目的に限ったことではありませんが、資金繰りの悪化を招かないためにも、ファクタリングは計画的に利用するようにしましょう。
ファクタリングを投資目的で利用すべきケース
ファクタリングでは、保有している売掛債権を早期に現金化することができるため、投資目的としても有効に活用することができます。そのため、投資を行いたいが手元の資金が不足しているといった場合には、ファクタリングのご利用をおすすめします。本章では、ファクタリングを投資目的で利用すべきケースについて解説していきます。
1.投資によるリターンが大きい
「投資によって大きなリターンを得ることができるのに手元の資金が不足している」このようなケースではファクタリングを利用すべきです。融資の場合は審査が厳しいため、資金調達までに時間がかかってしまいますが、ファクタリングでは最短即日で資金調達することが可能です。そのため、ファクタリングを利用すれば早期に投資に必要な資金を確保することができます。
2.経営が安定している
投資目的でファクタリングを利用する場合は、できるだけ経営が安定している時期がよいといえるでしょう。なぜなら、ファクタリング利用時には必ず手数料が発生するため、本来の売掛債権の額面よりも受け取ることができる金額が少なくなってしまうからです。本来受け取ることができる予定だった金額よりも少なくなるため、経営が安定していない時期に利用してしまうと、資金繰りの悪化を招いてしまう危険性があります。
3.売掛債権の額面が高額でない
ファクタリング利用時には、融資などよりも高い手数料が発生するため、売掛債権の額面が高額である場合は利用を控えた方がよいかもしれません。例えば、5000万円の売掛債権を手数料10%でファクタリングした場合は、500万円もの手数料が発生することになります。投資によってそれ以上のリターンが出れば問題ありませんが、高額な手数料はリスクとなるため、投資目的でファクタリングを利用する場合は、額面が高額でない売掛債権を利用するようにしましょう。ファクタリング会社によっては、売掛債権のうち一部を現金化できるものもありますので、高額な売掛債権しか保有していない場合は、そちらのご利用を検討してみてください。
まとめ
本記事では、ファクタリングが投資の資金調達に向いている理由や利用する際の注意点について解説させていただきました。ファクタリングでは、売掛債権を最短即日で現金化することができるため、投資目的の資金調達に向いているといえます。また、融資のような厳しい審査もないうえ、返済義務も発生しないため、利用者としても安心です。ファクタリングを利用して迅速な資金調達を行い、企業成長を図ってみてはいかがでしょうか。