ファクタリングは独自審査を実施している業者が多くなっています。
明確な基準を設けた審査というのは業者ごとに分けられており、独自に色々な部分を確認して審査を続けているのです。
利用する側は審査内容に対応していかなければならず、事前の対策等を通じて利用できる状況を作らなければなりません。
この記事では、ファクタリングの独自審査について説明していきます。
ファクタリングの独自審査は業者ごとに設定される
すべての業者が同じような審査を実施しているのではなく、ファクタリングは業者ごとに審査基準が変わる独自審査を採用しています。
すべての業者で同じような審査を実施していれば対策は簡単にできるのですが、業者による違いがありますので対策は容易にできません。
審査基準を変更している背景には、業者側が求めている信頼性などが変わっており、どれだけ安心感を得られるかを確認したいと判断しているためです。
審査に違いが生じる要因として、他にも次の部分があります。
・売掛債権の信頼性を審査していく必要があるため
・業者側が本当に大丈夫なのか判断できる内容が求められるため
・他よりも利用しやすいようなイメージを出したいため
売掛債権の信頼性というのは当然重要になっていて、信頼性が得られていない状況になってしまうと利用しづらくなってしまいます。
本当に売掛債権が買い取っても大丈夫なものか、そして売掛債権の資金を得られるようになっているか判断し、審査結果を作り出すようにしています。
また、業者側が大丈夫なのか判断する材料を増やしたいという狙いもあるため、大手ほど厳しい傾向のある審査を実施していくのです。
一方で小規模な業者側としては利用しやすい部分を作りたいため、利用しやすいイメージを出すために審査基準を緩和しているケースがあります。
ファクタリングの独自審査で見られる項目
ファクタリングでは独自の審査を実施していますが、審査で見られている項目がいくつかあります。
具体的には次の項目をチェックするケースが多くなっています。
・利用者側の信頼性
・売掛債権の信頼性
・支払いサイトの期日
・3社間の場合に限り同意を得られるか
・不良債権の有無
利用者側の信頼性は当然必要となっていますが、売掛債権側の信頼性もなければサービスを利用できないとしている業者が多くなっています。
また、売掛債権の支払いサイトについてはしっかり確認されており、本当にお金をしっかり振り込まれる状況なのか判断しています。
他にも売掛債権に関連している審査項目が多数存在しているため、場合によってはかなり厳しい対応を実施する場合も出てしまうのです。
ここからは、ファクタリングの独自審査で見られる項目を詳しく説明します。
1.利用者側の信頼性
利用者側の信頼性がしっかり得られていないような状況では、審査に落とされてしまいます。
利用する側が既に倒産するような状況になっていたり、明らかに不自然な申込内容で審査を受けているような状況があれば、審査に落とされるケースがあります。
基本的に売掛債権の審査を優先していくものとしていますが、利用している側の信頼性がどれだけ存在しているのか、申込内容でチェックされているものと判断してください。
特に次の項目は見られているケースが多くなっています。
・必要な売掛債権を持ってこられない
・開業してからあまり期間が経過していない
・売掛債権を1度も回収していない
必要な売掛債権を持ってこられないような状況を作っている場合、指定されている金額を確保できるものではないと判断されて審査落ちとなります。
また、開業してからすぐにファクタリングというのはあまり聞かないものですが、利用している場合は信頼されないため審査落ちになりやすいのです。
他にも売掛債権の回収歴がないなど、本当にお金をもらえるのか不安視されるような企業では審査に落とされてしまいます。
個人事業主やフリーランスなど、審査に落とされやすい業種も含めて、利用している側も審査対象になっているものと判断してください。
2.売掛債権の信頼性
一番重要視されているのが売掛債権の信頼性です。
売掛債権が信頼できるものと判断されなければ、回収できると判断できないため審査に落とされてしまいます。
回収できるほどの信頼性を持っていなければ、業者側としては買取できないものと判断してサービスを利用させない方向で進めていくのです。
安心してサービスを利用するためにも、売掛債権には次の要素を持たせなければなりません。
・指定されたタイミングまでに売掛金が入ること
・回収歴がしっかり存在している
・相手企業の経営状況が安心できる
指定されているタイミングまでに売掛金が入っており、しっかり回収できると判断できるような状況が作られていれば問題ありません。
また、回収している経歴が存在していると判断されれば、売掛金を提供している企業は信頼できるものと判断されて審査を通過しやすくなります。
当然相手企業の経営状況も審査対象となっており、審査をしておかしいと判断されれば利用できないようにします。
安心してファクタリングを実施するためにも売掛債権の信頼性は重要視され、一番先に確認される項目です。
3.支払いサイトの期日
支払いサイトの期日も確認される項目です。
支払いサイトというのは、支払いを受けるまでにかかる時間のことで、時間がながければ長いほど支払いサイトが長いと表記されます。
基本的に支払いサイトが長くなっているものはファクタリングにとって不利とされており、業者側から回収できないものと判断されやすくなるのです。
審査に落とされやすい売掛債権としては、次の要因を持っているものが挙げられます。
・支払いサイトが長すぎて回収できるか不透明
・過去に支払いサイト遅延が確認されている
・かなり後に支払いが予定されているもの
支払いサイトが長すぎると判断されるものや、直近で回収できるような状況が生まれていない場合は審査に落とされやすくなります。
また、支払いサイト遅延によって本来のタイミングでお金を得られなくなっているものも信頼できないと判断されます。
この他、相手企業はしっかり支払う気持ちを持っているものの、支払いのタイミングが数年後などに設定されているものは認められません。
サービスを利用していく場合は、数ヶ月後に支払いが予定されているものなど、直近でお金を回収できるタイプを選ばなければなりません。
4.3社間の場合に限り同意を得られるか
3社間ファクタリングに限り適用されるものですが、相手企業から同意を得られなかった場合は審査に落とされます。
3社間というのは、相手企業が同意したものに対してサービスを実行してお金を提供していくという方法を利用していきます。
しかし、相手企業が同意しなければ何もできない状況になってしまい、審査に落とすしかない状況に陥ってしまうのです。
同意を得られない背景として、次の要因が関連しています。
・ファクタリングを嫌っている
・売掛債権譲渡しないように要求される
・過去にトラブルがあった
ファクタリングを嫌がっている企業もありますので、嫌われているようであれば対応するのは難しくなっていきます。
また、売掛債権譲渡を拒否されるような要求を請けている場合も、嘘をついて提出してもバレてしまいます。
過去にトラブルがあり、3社間を嫌っている企業もありますので、利用する際は注意しておかなければなりません。
相手企業を説得できるかどうかは、ファクタリング業者側というより利用している企業側も関係しているものと判断してください。
5.不良債権の有無
不良債権の有無も影響しています。
当然ですが不良債権は回収できないものとなっており、提出されても審査できません。
既に回収できる見込みのない売掛債権は審査落ちにしなければならないというレベルですので、独自審査をしなくても利用できません。
回収できないものを提出して信頼性を失わないように気をつけてください。
ファクタリングの独自審査は対策が困難
特に大手のファクタリング業者で起こりやすいのですが、独自審査の対策が非常に難しくなっているなどの理由で利用しづらくなっているケースがあります。
大手の業者は厳格にサービスを利用していく方向で進めている傾向が強まっているため、対策しようとしても難しくなっているのです。
対策が難しくなっていると、ファクタリングによる資金確保が難しくなっていくケースもありますので、大手の対策はしっかり進めなければなりません。
特に大手の業者では気をつけておきたいポイントがあります。
・できる限り相性の良い企業の売掛債権を提供する
・ファクタリングの利用歴などを提示して安心させる
・相手企業も同意しているような状況を作り出す
相性のいい売掛債権を提供したほうが業者側も安心できるものですし、確認作業にかかる時間も大幅に削減できると判断しています。
また、ファクタリングを利用しているかどうかは重要になっており、過去に利用して問題を起こしていなければ利用させられやすいと判断されます。
他にも3社間を利用する際は事前に相談するなどして、相手企業側にも同意を得られるようにしておくと効果的です。
独自審査は読み取れない部分が多くなっていますので、どうすれば審査を通過できるのかしっかり考えて行動していく必要があります。
ファクタリングの独自審査まとめ
ファクタリングは独自審査を実施しているところが多くなっており、企業ごとに審査基準が変わっていくため注意しなければなりません。
利用していく場合には独自審査に対応できる状況を作り出すと同時に、少しでも審査通過しやすい状況を作ってください。
特に売掛債権の信頼性は重要になっていますので、少しでも信頼性が得られるような会社から受け取ったものを提出すると安心です。
信頼性が得られるようになっていけば、利用しやすい状況を作り出せて、資金調達できるようになります。