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ファクタリングのスキームとは?正しい知識を身に付けて資金調達を成功させよう

ファクタリングは資金調達手段として広く知られつつありますが、その仕組みや本質を正しく理解している方はまだ多くありません。特に「個人でも利用できるのか」「審査が緩いのではないか」「架空の取引でも可能なのでは」といった誤解や不安を抱えたまま検討しているケースも少なくないでしょう。中には、踏み倒しができるのではないかといった誤った認識が広がっているのも事実です。

しかし実際には、ファクタリングは法制度に基づいた正当な資金調達方法であり、ヒアリングや審査を通じて取引の実態がしっかり確認されます。そのため、安易な利用や誤った理解のままでは、思わぬトラブルにつながる可能性もあります。
本記事では、ファクタリングのスキームについて基礎から丁寧に解説し、正しく安全に活用するためのポイントをわかりやすくご紹介します。

 

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そもそも「スキーム」って何?

スキームとは、「枠組みを持った計画」という意味を持つ、ギリシア語が語源となった言葉です。ビジネス用語としては、「計画」「枠組み」「仕組み」などの意味で利用されています。
よって、「ファクタリングのスキーム」とは、「ファクタリングの仕組み」という意味になります。

ファクタリングとは

ファクタリングは、利用者が支払期日前の売掛債権をファクタリング会社に売却し、早期に現金化することができる「売掛債権の売買サービス」となっています。日本の企業間取引では「掛け取引」が一般的となっているため、商品・サービスの提供から実際に代金が支払われるまでに30日~60日間の支払いサイトが存在します。売掛債権は、売掛金を請求することができる権利なのですが、支払期日までは代金を回収することができません。

そのため、日本の企業では、売掛金が増加するほど「売上はあるけど手元の資金がない」といった状況に陥りやすく、最悪「黒字倒産」になってしまう可能性もあります。

このような資金繰りの悪化を改善するために、融資やビジネスローンでの資金到達を行おうと考える方もいるかと思いますが、資金繰りが悪化している企業に、融資を行う金融機関はそうありません。

また、融資やビジネスローンは、審査や資料作成にも時間がかかるため、急を要する資金繰りの改善に適した資金調達方法ではないといえるでしょう。そこで有効なのが「ファクタリング」です。ファクタリングは契約方法にもよりますが、最短即日で売掛債権を現金化することができるため、資金繰りの改善や急な出費が必要になった場合などに適している資金調達方法であるといえます。

■ファクタリングの利用方法は2種類ある

ファクタリングの利用方法には、「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」があります。2社間ファクタリングは、利用者とファクタリング会社の2社間で取引を行う方法で、売掛先は取引に参加しません。

一方で3社間ファクタリングは、利用者・ファクタリング会社・売掛先の3社間で取引を行う方法で、売掛先も取引に参加します。この2種類の大きな違いとしては「売掛先が取引に参加するどうか」という点が挙げられますが、それ以外にも手数料・債権譲渡登記の有無・現金化スピードなどに違いがあるため、自社に適した利用方法を選択することが重要となります。

 

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ファクタリング会社の選び方

ファクタリング会社を選ぶ際は、単に手数料の安さや入金スピードだけで判断するのではなく、自社の資金繰りや運用体制に合っているかを総合的に見ることが大切です。ファクタリングと一口にいっても、対応可能な業種や契約の流れ、必要書類、サポート体制などは会社ごとにさまざまです。そのため、一般的な評判だけを参考にするのではなく、自社にとって使いやすい条件がそろっているかを確認しなければなりません。

また、安心して利用するためには、契約の透明性や説明の丁寧さも重要です。取引が適正に成立するまでの流れが明確で、疑問点に対して十分に答えてくれる会社であれば、初めて利用する場合でも不安を抑えやすくなります。一方で、説明を急がせたり、判断を厳しく迫ったりする業者には注意が必要です。

さらに、ファクタリング会社を選ぶときは、資金調達だけでなく、その後の事業運営まで見据える視点も欠かせません。入金の早さと信頼性を同時に確認しながら、自社に無理のない形で利用できるかを見極めることが、後悔しない選択につながります。複数社を比較し、条件面と対応面の両方を確認したうえで判断することが重要です。

審査基準と対応スピードの違い

ファクタリング会社ごとに審査基準は大きく異なり、その違いが対応スピードにも直結します。売掛先の信用力を重視する会社もあれば、取引実績や事業の継続性を重視する会社もあり、どのポイントを評価するかによって審査の進み方は変わります。一般的に、必要書類が少なく手続きが簡略化されているサービスほどスピードは早い傾向にありますが、その分リスクを考慮した条件が設定される場合もあります。スピードだけを優先するのではなく、自社の状況に合った審査基準かどうかを見極めることが重要です。

手数料の相場と比較のポイント

手数料はファクタリング利用におけるコストの中心となるため、相場感を把握したうえで比較することが欠かせません。ただし、単純に数字だけを見て判断するのではなく、その内訳や条件にも注目する必要があります。 例えば、基本手数料のほかに事務手数料や振込手数料が発生するケースもあり、結果として総額が大きく変わることもあります。また、契約形態や取引規模によっても料率は変動するため、複数の見積もりを取り、同じ条件で比較することがポイントです。

サポート体制と信頼性の見極め

ファクタリングは継続的に利用するケースも多いため、サポート体制の充実度は重要な判断基準となります。問い合わせへの対応の速さや、担当者の知識量、説明の分かりやすさなどは、実際の利用時の安心感に大きく影響します。 また、会社としての運営実績や取引件数、情報開示の姿勢なども信頼性を測る材料となります。単にサービスの条件だけでなく、長期的に付き合える相手かどうかという視点で判断することが、安定した資金調達につながります。

2社間ファクタリングのスキーム

2社間ファクタリングのスキームは以下のとおりです。

1. 売掛債権の発生
2. ファクタリング会社に申し込み
3. ファクタリング会社による審査
4. ファクタリング会社と契約
5. 売掛債権の買取・債権譲渡登記
6. 売掛先から利用者へ売掛金が支払われる
7. 利用者は支払われた売掛金をファクタリング会社へ振り込む

このようなスキームとなっている、2社間ファクタリングの特徴は以下のとおりです。

特徴①:ファクタリングの利用に関して売掛先に知られない

2社間ファクタリングのスキームでは、利用者とファクタリング会社の2社間で取引を行うこととなっています。そのため、商品・サービスの購入と売掛金の支払いなど間接的に参加することはあったとしても、2社間ファクタリングにおいて売掛先が直接的に関わることはありません。

また、ファクタリングの利用に関して、売掛先の承認を得る必要もないため、売掛先に知られずに、ファクタリングを利用することができます。

特徴②:現金化スピードが早い

上記で述べたように、2社間ファクタリングのスキームでは、ファクタリングの利用に関して、売掛先の承認を得る必要がないため、3社間ファクタリングよりも現金化スピードが早いといえます。ファクタリング会社によって異なりますが、申し込みから現金化まで最短即日で行える場合もあるため、資金繰りの悪化や急な出費が必要となった場合の資金調達方法として、最適であるといえるでしょう。

特徴③:売掛金が利用者に振り込まれる

2社間ファクタリングでは、売掛先が取引に参加しないため、一度売掛金が利用者に振り込まれます。そのため、利用者は、売掛先から振り込まれた売掛金をファクタリング会社へ振り込まなければいけない手間が発生してしまいます。

なぜこのような手間が発生してしまうのかというと、2社間ファクタリングでは、債権者のファクタリング会社から売掛債権の回収を委託されている関係になっているからです。このような関係性から、売掛金は一度利用者に振り込まれ、その後利用者がファクタリング会社へ振り込むスキームとなっています。

特徴④:手数料が高い

2社間ファクタリングの手数料相場は、10~20%ほどとなっており、3社間ファクタリングよりも手数料が高いと言えます。なぜ2社間ファクタリングのほうが手数料が高いのかというと、ファクタリング会社側のリスクが大きいからです。上記でも述べたように、2社間ファクタリングでは、売掛金が一度利用者に振り込まれるため、利用者による持ち逃げ・使い込みリスクがあります。また、売掛先が取引に参加しないため、売掛先の実情が把握できないため、未回収リスクが高くなってしまいます。このような理由から、2社間ファクタリングの手数料は高く設定される傾向にあり、利用者にとってデメリットとなります。

特徴⑤:債権譲渡登記が必要になる場合がある

スキームにもあるように、2社間ファクタリングでは債権譲渡登記が必要となる場合があります。債権譲渡登記とは、債権者が利用者からファクタリング会社に移ったことを示すもので、法務局で手続きが行われます。売掛先が取引に参加しない2社間ファクタリングにおいて、債権の二重譲渡を防止する目的で債権譲渡登記を求めることがあります。そのため、2社間ファクタリングのスキームには、債権譲渡登記が含まれる可能性があります。

しかし、ファクタリング会社が債権譲渡登記なしでの契約に対応している場合は例外です。その場合は、債権譲渡登記はスキームに含まれないことになります。

3社間ファクタリングのスキーム

3社間ファクタリングのスキームは以下のとおりです。

1. 売掛債権の発生
2. 売掛先からファクタリングの利用に関して承認を得る
3. ファクタリング会社に申し込み
4. ファクタリング会社による審査
5. 債権譲渡通知
6. 売掛債権の買取
7. 売掛先からファクタリング会社に売掛金が振り込まれる

このようなスキームとなっている、3社間ファクタリングの特徴は以下のとおりです。

特徴①:売掛先からファクタリングの利用に関して承認を必要がある

3社間ファクタリングでは、利用者・ファクタリング会社に加えて売掛先も取引に参加するため、事前に売掛先からファクタリングの利用に関して承認を得る必要があります。スキームにもあるように、ファクタリング会社へ申し込む前に承認を得ることが一般的となっており、もし申し込み前に承認を得てない場合は、債権譲渡通知が行われ時点で、ファクタリングの利用に関して、売掛先から断られる可能性があります。

そのため、3社間ファクタリングを利用する際は、事前に売掛先からの承認を得ておく必要があります。

特徴②:売掛金は売掛先から直接ファクタリング会社に支払われる

3社間ファクタリングでは、売掛先も取引に参加するため、売掛金は売掛先から直接ファクタリング会社へ振り込まれます。そのため、2社間ファクタリングのスキームであった「利用者からファクタリング会社へ振り込む」ということはありません。

また、利用者による持ち逃げリスクも軽減されるため、2社間ファクタリングよりも手数料が低く設定される傾向にあります。

特徴③:債権譲渡登記が不要

3社間ファクタリングでは、売掛先に債権譲渡通知を行い、それを承諾した時点で債権が利用者からファクタリング会社へ移ったことを証明することができます。そのため、債権譲渡登記によって、債権譲渡が行われたことを証明する必要がありません。債権譲渡登記には、数万円~10万円程度の費用が掛かりますが、3社間ファクタリングではその費用を支払う必要がないため、利用者にとっては大きなメリットといえるでしょう。

ファクタリング利用時の注意点

ファクタリングは担保や保証人が不要で利用しやすい資金調達方法ですが、その利便性だけに注目して安易に導入するのは注意が必要です。銀行融資とは異なる方式であるため、仕組みや契約条件を正しく理解したうえで、自社の事業内容やキャッシュフローに適しているかを慎重に確認することが重要です。 特に、入金までの期間や対象となる売掛債権の内容によっては、期待していたほど資金繰りが改善されないケースもあります。利用する型によって資金の流れや管理方法も変わるため、自社の業務体制で無理なく対応できるかどうかも重要なポイントです。

また、ファクタリング業者によって提示される条件には大きな差があるため、複数社を比較し、契約内容を十分に確認することが欠かせません。不透明な手数料や一方的な条件を提示されるケースもあるため、少しでも不安があれば事前に専門家へ相談するのが安心です。

さらに、売掛先の倒産などにより入金が滞るリスクも考慮しておく必要があります。契約によっては利用者側が影響を受ける可能性もあるため、リスク分担や責任範囲についても事前にしっかり確認しておきましょう。こうした点を踏まえて適切に活用することで、ファクタリングは事業の資金管理を支える有効な手段となります。

契約内容と手数料の確認ポイント

ファクタリングを利用する際は、提示された契約内容と手数料の内訳を細かく確認することが重要です。特に中小企業の資金調達では、手数料のわずかな違いが経営全体の負担に直結するため、総額ベースでどの程度のコストが発生するのかを把握しておく必要があります。

契約書には、手数料だけでなく、与信の判断基準や決済の流れ、入金までの条件などが明記されています。それぞれの項目について十分に説明を受け、自社にとって不利な条件が含まれていないかを確認した上で契約を結ぶことが大切です。一方で、説明が不十分なまま契約を進める業者には注意が必要です。

また、ファクタリングは貸金業とは異なる仕組みですが、実態としてそれに近い契約内容となっているケースも存在します。そのため、形式だけで判断するのではなく、実際の契約内容や資金の流れを理解することが求められます。オンラインで完結できるサービスも増えていますが、手軽さだけで選ぶのではなく、信頼性やサポート体制も含めて総合的に選ぶことが重要です。

さらに、取引先の信用状況や債権の内容によって手数料が変動することも多く、同じサービスでも条件次第で大きく差が出る場合があります。必要に応じて債権の登録状況なども確認しながら、自社に最適な契約を見極めていきましょう。

二重譲渡や架空債権のリスク

ファクタリングは売掛金の請求権を譲渡することで資金化するファイナンス手段ですが、その仕組みを正しく理解していないと、二重譲渡や架空債権といった重大なリスクを招く可能性があります。これらは基本的なルールに反する行為であり、信用を大きく損なうだけでなく、場合によっては法的責任を問われるケースもあります。

例えば、同一の売掛債権を複数の業者に譲渡してしまう二重譲渡は、意図的でなくても事務管理の不備によって発生することがあります。また、実在しない取引をもとに請求権を発行し資金化しようとする架空債権は、金融の観点からも重大な問題とされており、信用情報への影響や今後の資金調達に支障をきたす恐れがあります。

ファクタリングは返済や償還を伴う借入とは異なるものの、取引における信用が何より重視される仕組みです。そのため、個人・法人を問わず、導入時には債権管理の基礎を徹底し、正確な情報のもとで運用することが義務といえます。特に大型案件など金額が大きい場合は、より慎重な対応が求められるでしょう。 安全に活用するためには、社内の管理体制を整えることに加え、信頼できる業者の支援を受けることも有効な手段です。透明性の高い運用を心がけることで、不要なトラブルを防ぎ、安定した資金繰りにつなげることができます。

 

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悪質業者を避けるための基準

ファクタリングを安全に活用するためには、信頼できる業者を見極めることが欠かせません。「審査なし」「申し込み後すぐ契約」など見た目の条件だけで簡単に判断するのではなく、複数社を比べながら慎重に選ぶ姿勢が重要です。手数料が極端に低い、または説明が曖昧な場合には、一見魅力的に見えても後々大きく不安を与える要因となることがあります。

まず確認したいのは、売買契約として適切に成立しているかどうかです。ファクタリングは貸付ではないため、負債として扱われるわけではありませんが、契約内容によっては実質的に借入に近い形となり、法的な問題が発生するケースもあります。そのため、契約の形式や方針について十分に説明があるかを確認することが大切です。

また、担当者の対応も重要な判断材料となります。質問に対して明確な回答が得られるか、手続きがスムーズに進むかといった点は、業者の信頼性を測るうえで大きなポイントです。逆に、対応が不十分であったり、必要な情報開示が少ない場合は注意が必要です。

さらに、企業情報の透明性も確認しておきましょう。公式サイトに採用情報や会社概要がしっかり掲載されているか、実績や運営体制が一定水準で確保されているかなどをチェックすることで、リスクの高い業者を避けやすくなります。こうした基準をもとに判断することで、安心して利用できる環境を整えることができるでしょう。

ファクタリングのスキーム:まとめ

今回は、ファクタリングのスキームについて解説させていただきました。どの資金調達方法においても、スキームに関して正しく理解しておくことが必要です。特にファクタリングは、独自のスキームを持っているため、利用前に必ずスキームに関する正しい知識を身に着けておきましょう。正しい知識を身に着けることができれば、予想外のことが起こる可能性も低くなるため、資金調達を成功させることにつながるでしょう。

 

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MSFJ株式会社 広報部長

国立大学卒業後、ノンバンクでの8年勤務したのちファクタリング会社に就職。貸付ではないファクタリングというサービスに可能性を感じ約10年ファクタリングについてのコラムを執筆し、今後変わりゆくファクタリング業界についての最新情報発信を現在行なっています。
保有資格 ファイナンシャルプランナー、貸金業務取扱主任者
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