銀行や消費者金融が提供しているローンには金利という概念があります。
利用すると金利が適用され、指定された利息を払うことになるため、返済時の負担が増加します。
ファクタリングには金利という言葉が利用されるケースもありますが、実は異なる方法で業者側の利益を確保しているのです。
この記事では、ファクタリングが金利という言葉を利用していない理由などについて解説します。
ファクタリングは金利を利用していない
ファクタリングには金利という言葉は利用されておらず、手数料という言葉が代わりに利用されています。
理由としては次の要素が関連しています。
・ お金を借りるサービスではないため
・ 金利は借りた金額に対して適用する用語のため
一見すると資金調達している方法に変わりはないのですが、利用している方法がお金を借りているか、それとも買取で調達しているかによって違いがあります。
一般的な銀行や消費者金融のような借入方法ではなく、保有している売掛債権を売却する方法でお金を受け取っているため、資金を借りているという方法ではありません。
ファクタリングは買取サービスとして運営されているため、基本的に買取に対して適用される手数料の概念が必要となっており、金利というワードは利用していないのです。
すべての業者が手数料という形でワードを利用しているため、間違ってもお金を借りるサービスだと思われないようにする対策が行われています。
金利を利用している業者があれば異なるサービスの可能性が高い
売掛債権を買取るサービスとして導入されているものの、なぜか金利という言葉が利用されているようであれば、本来とは異なるサービスを提供している可能性があります。
一般的なファクタリングであれば手数料として表記して、お金を貸しているサービスではないとアピールする必要があります。
しかし、金利というワードを利用しているというのは、本来の役割ではない行動を採用している可能性が高く、怪しい業者に該当しているのです。
実際に手数料ではなく金利を利用している場合は次の業者の可能性があります。
・ 貸金業者
・ 闇金
貸金業者が似たようなサービスを提供しているように見せかけて、貸金を行っているという場合もありますので、サービスをしっかり確認しておかなければなりません。
また、偽装しているサービスとして多いのが闇金で、利用すると法外な金利が適用されて厳しい状況に追い込まれてしまいます。
基本的に偽装しているのは闇金業者が大半ですので、闇金を利用しないように言葉の使い方などをしっかり覚えておき、間違えないように気をつけてください。
仮におかしいところが見つかったのであれば、より信頼できる業者を利用するために別のサービスを検討していくなどの対応が求められます。
ファクタリングの手数料は基準とされる範囲が存在する
ファクタリングは金利を利用していませんが、手数料として必要とされる経費を請求するようにしています。
大半の業者は基準の範囲内で手数料を作るようにしており、明らかに高いとされるような状況を作らないようにしています。
手数料が高すぎる状態を作ると、すぐに怪しい業者だと判断されてしまいますし、比較されればおかしいと判断されるのは明確です。
多くの業者では、次の数値を元にして手数料の決定をしている傾向が強まっています。
・ 2社間:10%~30%
・ 3社間:1%~9%
2社間が高くなっているのは、売掛金の未回収リスクが関連しており、少しでもリスクに備えた対策を講じなければならないためです。
万が一売掛先の倒産や利用者が持ち逃げしてしまい、売掛金が回収できなくなったときの損失を最小限に抑えるため、手数料を引き上げて問題が起きても安心できる状態にします。
3社間の場合は手数料を少しでも引き下げる方向で進めて、安心してサービスを利用できる状況を作るようにしているのです。
提示されている基本的な数値を超えている、または下回っている業者の場合、次の可能性が指摘されています。
・ 悪質な業者がサービスを提供している可能性がある
・ 手数料が元々高いためあまりにも利用しづらい状況になっている
・ 闇金関連業者の可能性がある
ファクタリングもすべての業者が良いと判断されているわけではなく、問題とされている業者がいくつかあるのは間違いありません。
悪質な業者がサービスを提供する際は、少しでも手数料でお金を取るという方向で進めているため、どうしても手数料は高くなってしまいます。
また、手数料が元々高めに設定されているケースもあり、業者によっては比較すれば明らかにおかしいような数値だと判明される可能性もあります。
最悪の場合は闇金が偽装しているケースもあるため、明らかに手数料が高く、金利のような表現をしている業者には近寄らないでください。
ファクタリングの手数料は提示される数字から変動する
金利以外の言葉でファクタリングは手数料の目安を記載しているケースが多くなっていますが、実際の手数料は利用しなければわかりません。
利用して初めて売掛債権に対する手数料がどれくらいに設定されているのか判断できるようになっていますので、最終的な手数料は自分で確認しなければなりません。
手数料が相当高くなっている可能性もあれば、低く設定されているケースもあるなど、利用すると意外な状況に置かれる可能性もあります。
手数料が変動している背景には次の問題も関連しています。
1. 手数料を少しでも多く手に入れて業者側の利益にしたい
2. 売掛債権の信頼性などを基にして数値を決定したい
3. 目安の数字は知ってもらうために記載しているだけ
手数料を少しでも多く手に入れたいと考えているのはどの業者も似たような状況であり、少しでも高く手数料を取れないか判断している部分もあります。
また、売掛債権の信頼性は実際に見ていかないとわからない状況ですので、信頼できるかどうか判断してから手数料を決定しているケースが多くあります。
他にも目安という数字を見せているだけで、実際の数値は異なるという状況もあるため、実際の情報は審査してからではないと分からないという側面も持ち合わせているのです。
ここからは、ファクタリングの手数料が変動している状況について詳しく説明します。
1.手数料を少しでも多く手に入れて業者側の利益にしたい
もちろん少しでも安い手数料で提供し満足度を獲得したいというのもありますが、手数料を少しでも多く得たいと思っている業者は多くいて、利益を増やして会社の経営を安定させたいのは当然です。
手数料を目安の数字で実施してしまうと利益が出ないため、少しだけ利益を増やす目的で手数料を変化させているケースがあります。
手数料を増やすことにより業者側の利益を増やすと同時に、しっかりサービスが提供できる状態を作っておくのが狙いです。
しかし、手数料をあまりにも多く取りすぎると、業者側にとってマイナスの材料も増えていきます。
・ 手数料が明らかに離れすぎて利用者の不信を買ってしまう
・ 他の業者と比較されて利用する人が減ってしまう
・ 継続した利用に繋がらない
手数料の数値が目安よりも離れている状態になってしまうと、手数料が高すぎるのではないかと判断され、利用する人が減ってしまいます。
また、他の業者との比較も実施されるようになってしまいますので、場合によっては業者の変更という状況も発生しやすくなります。
当然利用されたとしても、次の利用は別の業者を検討しようという話も出てしまい、思っていたような継続的な利用というのも実施されません。
より使いやすい状況にしていくためには、手数料の数字をあまり変動させずにサービスを提供していく業者を見つけていく必要があります。
2.売掛債権の信頼性などを基にして数値を決定したい
業者側としては、売掛債権の信頼性などを重要視して最終判断したいというのが大きな理由です。
売掛債権は手にするまで本当に信頼できるのか判断できないため、調査などを通じて最終的に大丈夫なのか判断するための状況を作っていく必要があります。
中には売掛債権の不安が大きすぎて、手数料を大量に請求しなければ安全が担保できないとされている場合があり、ファクタリング手数料を増やす可能性があります。
特に次の状況に該当している場合は手数料が多くなる傾向が出てしまうのです。
・ 売掛債権のサイトが長すぎる
・ 過去に売掛債権の支払いが遅れている
・ 会社の経営状況に不安が多すぎる
相手企業の安定性というのは重要視されるところであり、売掛債権の支払いサイトが長すぎる状況を作ってしまうとマイナス判定を受けてしまいます。
また、売掛債権の支払いが遅れているなどの理由により、しっかりお金が入らない状況を作ってしまうと手数料を引き上げられてしまうのです。
他にも会社の経営状況に不安が多すぎて、サービスを利用していくのが難しいと判断されれば手数料は増加していきます。
売掛債権の信頼性がファクタリングにとって重要視されているのは間違いないため、実際に受け取ってから判断するという状況が増えています。
3.目安の数字は知ってもらうために記載しているだけ
手数料の数値は目安の数字として記載しているだけというパターンもあります。
手数料の数字を知ってもらうために記載しておき、実際の数字は確認作業を通じて決定するという方針はよくあるパターンです。
目安の数字だけでも知ってもらえば、利用してもらうときの参考にできる他、場合によっては比較対象が増えるとして利用しやすくなっていきます。
手数料の概念を知ってもらうだけでも重要ですので、ある程度知ってもらうために手数料について記載しているケースが多くなっています。
ファクタリングの金利まとめ
ファクタリングは金利という言葉を利用してサービスを提供するのではなく、手数料という言葉を利用してサービスを提供します。
手数料を少しでも増やしたいと考えている業者側と、少しでも安く抑えたいと考えている利用者側で駆け引きが行われているのは間違いありません。
今後も手数料については分かりづらいところとなりますが、しっかり確認していけば安心して利用できる状況を作れます。