手形割引とファクタリングを比較その7|取引先への通知に違いあり
手形割引もファクタリングもどちらも企業の資金調達法であることには違いありません。しかしその内容には大きな違いがいくつもあるのです。
より適切な資金調達法を探してるのであれば、まずはそれらの違いを知ることからはじめなければなりません。違いを把握できれば資金調達も今まで以上にしやすくなることは間違いありませんよ。
手形割引とファクタリングの違いの一つである「取引先への通知」があります。
あなたは取引先への通知があったほうが良いですか?それとも取引先への通知がないほうが良いですか?
ファクタリングと取引先(売掛先)への通知について
ファクタリングに関しては、取引方法によって通知があるケースとないケースに別れています。
・2社間取引のケース
2社間取引の場合は取引先へ通知されることはありません。取引先に知られることなく売掛金が売却できる、といったメリットがあります。
なぜ2社間取引の場合は売掛先への通知がないのでしょうか?その理由としては、売掛先への通知が必要ないから、というものがあります。
2社間ファクタリングに関しては、通常通りに売掛金は自社に入金されてきます。そして自社からファクタリング業者へ支払われることに。よって売掛先に知らせる必要がないのです。売掛先としては通常通りにあなたの会社へ入金すればよいだけですからね。
ただし2社間取引であったとしてもファクタリングが発覚する可能性はあります。売掛金が期日通りに入金がされなかったときです。
そもそも売掛金は業者側に売却しています。よって貸し倒れたとしても自社は対応する必要がありません。業者側が対応することになるのです。回収業務はファクタリング業者が行うので、その時は発覚してしまうことに。
・3社間取引のケース
残念ながら3社間取引である場合はファクタリングの事実が取引先へ通知されてしまいます。
なぜ通知されてしまうのでしょうか?
その理由は単純明快です。売掛先が売掛金をファクタリング業者に直接支払わなければならないからです。
3社間ファクタリングは、自社を介して売掛金を回収するのではありません。自社を介するのではなく、直接売掛先からファクタリング業者へ支払われることに。
ファクタリング業者としては直接回収できたほうがリスクは低いので、手数料率を低くしています。お得なので利用したいと思うわけですが、取引先の印象が悪くなってしまう恐れがあるので腰が引けてしまっている方が多いのも事実。
仮に3社間ファクタリングを利用する予定があるのであれば、前もって業者側に話を通しておきましょう。話を通しておけば、何も言われずに急に売掛金が譲渡されるわけではないので取引先も安心してくれるはずです。
手形割引と取引先(振出人)への通知について
手形割引に関しては取引先(振出人)に手形割引が発覚することはありません。
そもそも手形割引業者が振出人に何らかの接触をすることはないのです。
そもそも手形割引に関してはファクタリングのように回収の義務は業者側にはありません。かりに手形の不渡りが発生して回収できない場合は、償還請求権が発動してしまいます。
要は自社が代わりに支払わなければなりません。リスクが高い資金調達法なのですが、だからこそ業者としても振出人にコンタクトを取らなくてよいのです。かりに不渡りが発生したとしても、手形割引業者から取引先に接触はありませんよ。
まとめ
取引先に資金調達を知られたくないのであれば、手形割引を利用する方法があります。さらにファクタリングの2社間取引を利用する方法があります。
貸し倒れリスクが大きく関係してくる事案でもあるので、よく考えて選ぶ必要がありますよ。