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ファクタリングは民法改正で利用しやすくなった!5分で変更点をチェック

2020年に大改正された民法は、ファクタリングに大きな影響をもたらしました。この改正によって使いやすくなったファクタリングは、中小企業を中心に利用者が急増しています。しかし、ファクタリングを利用したことがない方にとっては不安材料も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、ファクタリングが急拡大するきっかけとなった民法改正により、利用者にどのような影響が出たのかをわかりやすく解説。ファクタリングの利用者が増えたことによって発生している問題点についてもご説明していきます。

 

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ファクタリングは民法改正でどう変わったのか

ファクタリングとは「売掛金を売却して資金調達する方法」のこと。ファクタリングには「業績が悪くても利用できる」「すぐに現金を調達できる」などのメリットがあります。2020年の民法改正で変更された点は主に次の2点です。
・変更点1:債権譲渡禁止特約が原則無効化
・変更点2:将来債権譲渡が明文化
上記について順に解説していきます。

変更点1:債権譲渡禁止特約が原則無効に

変更点の1つ目は、債権譲渡禁止特約が原則無効になったことです。この変更点による影響は非常に大きく、民法改正前まではほとんど利用できなかったファクタリングが、一般的な資金調達手段として広く認知されるきっかけになりました。詳細を見る前に、まずは「債権譲渡禁止特約」について確認しておきましょう。

債権譲渡禁止特約とは

債権譲渡禁止特約をファクタリング利用者の立場で説明すると「売掛金をファクタリング会社に譲渡することを禁止する特約」だと言えます。この特約を守ろうとすると当然、ファクタリングを利用できなくなってしまいます。一方、債権譲渡禁止特約を売掛先の立場からみると「弁済者を固定する特約」だと言えます。弁済者以外には支払いの義務がないため、ファクタリング会社は代金を請求できません。このように民法改正前は利用者とファクタリング会社双方に不利益があったため、ファクタリングが普及することはありませんでした。

債権譲渡禁止特約の目的

債権譲渡禁止特約は企業間で一般的によく利用されている契約方法です。売掛先である企業が債権譲渡禁止特約をつける目的は「支払先変更による事務の煩雑さを避けたい」「反社会勢力との関わりが不安」などで、下請け会社には何のメリットもないのが特徴です。債権譲渡禁止特約は長年、売掛先の権利を守るためだけに存在していたのです。

民法改正前:債権譲渡禁止特約があるとファクタリングできなかった

民法改正前は、債権譲渡禁止特約があるのにファクタリングすると「取引が無効」とみなされ、ファクタリング会社は代金を回収できない可能性がありました。当然、そのようなリスクの大きい取引をファクタリング会社が引き受けるはずがありません。また、ファクタリング利用者(債権者)にとっても、債権譲渡禁止特約を無視して売掛金を譲渡したことが売掛先にばれると、今後取引してもらえなくなる可能性が高まります。そんなリスクを負ってまで、ファクタリングを利用する理由はありませんでした。このように民法改正前は、債権譲渡禁止特約があるがためにファクタリングを利用できなかったのです。

民法改正後:債権譲渡禁止特約が原則無効に

民法改正後は、債権譲渡禁止特約がついた債権でもファクタリングが可能になりました。ファクタリングにおける民法改正の影響は次のとおりです。
・債権譲渡禁止特約がついた債権でもファクタリングが可能
・売掛先はファクタリング会社への支払いを拒否できる
・ファクタリング会社は、売掛先に直接支払いを求めることが可能
売掛先はファクタリング会社への支払いを拒否する場合、ファクタリング利用者に直接返済できるようになりました。これにより「事務手続きを煩雑にしたくない」「反社会勢力と関わる可能性をなくしたい」という売掛先の希望もかないます。また利用者は、売掛先が催促しても返済に応じない場合、ファクタリング会社が直接交渉してくれるため回収の必要がありません。ファクタリング会社からすれば直接売掛先に請求できるので、回収しやすくなるメリットがあります。このように民法改正後は債権譲渡禁止特約が原則無効になったことにより、ファクタリング会社と資金繰りに苦しむ債権者にとって、ファクタリングしやすい環境が整いました。

変更点2:将来債権譲渡が明文化

民法改正後は将来債権譲渡が明文化されたため、売却可能な債権が増えてファクタリングをより利用しやすくなりました。将来債権とはこの場合、まだ発生していない売掛金のことを指します。例えば不動産の家賃など、毎月売掛債権が発生する契約があってそれが一定の規模で継続している場合、未来の売掛金をファクタリング会社に売却できるようになりました。実はこの将来債権、民法改正前から判例では「譲渡可能である」と認められていました。民法改正によって明文化されたことにより取り扱い範囲が広がって、一層利用しやすくなっています。

民法改正後の実務上の注意点を解説

2020年の民法改正によってファクタリングは活用しやすくなりましたが、実務上の注意点を理解せずに利用すると、思わぬトラブルにつながる可能性があります。法律の改正はあくまで制度上の整備であり、実際の業務運用では細かな確認が欠かせません。
まず押さえておきたいのは、債権譲渡禁止特約に関する規定です。改正民法第466条では、譲渡制限特約があっても債権譲渡自体は有効とされました。ただし、売掛先(債務者)に対する対抗要件や通知方法には引き続き注意が必要です。条文の理解が不十分なまま契約を結ぶと、入金時のトラブルが生じるケースもあります。
また、融資との違いを正しく理解することも重要です。ファクタリングは借入ではなく、売掛債権を現金化する仕組みです。そのため返済方法という概念は原則として存在しませんが、契約内容によっては実質的に融資に近い形式になる場合もあります。銀行融資や手形割引、電子記録債権との違いを比較し、自社に適した方法を選ぶことが経営判断のポイントになります。
会計処理や消費税の扱いも実務上の大切な注意点です。売掛金を売却するという性質上、決算時の処理方法や資産の計上方法が変わる場合があります。ケースによってはキャッシュフロー計算書への影響も出るため、税理士や専門家に相談しながら進めるのがおすすめです。特に下請法に関連する取引では、取引条件の変更や支払規定に抵触しないか慎重に確認する必要があります。
さらに、オンライン完結型のサービスが増えたことで、面談不要・最短即日入金といった利便性が高まっています。しかし、手続きが簡単だからといって内容確認を怠るのは危険です。契約書(書面)を十分に確認し、手数料の内訳や支払条件を把握することが不可欠です。
民法改正によりファクタリングはより有効な資金調達手段となりました。そのため利用者数も増加していますが、制度を正しく理解し、法律・会計・税務の観点から総合的に検討することが重要です。自社のキャッシュフロー改善や資金繰り支援として活用するためにも、専門家の助言を受けながら、適切な形で導入していきましょう。

将来債権譲渡のリスク管理

民法改正により、将来債権譲渡が明文化されたことで、まだ発生していない売掛金もファクタリングの対象として活用できるようになりました。改正法の趣旨は、継続的な取引関係の中で生じる債権を柔軟に資金化できる環境を整えることにあります。日本においても、賃料債権や継続的なサービス提供契約など、一定の条件を満たす将来債権は有効に譲渡できるとされています。
しかし、将来債権の活用には慎重なリスク管理が欠かせません。従来の確定債権と違い、将来債権はまだ発生していないため、営業活動や事業の継続が前提となります。もし契約が途中で解除されたり、取引条件が変更されたりすれば、予定していた額の債権が発生しない可能性もあります。その結果、譲受人であるファクタリング会社との間でトラブルが生じることもあり得ます。
また、債務者との関係も重要です。将来債権の譲渡は当事者間で有効に成立しますが、対抗要件や通知方法については確認が必要です。債務者が承諾していない場合や、支払わない意思を示した場合には、実際の回収が困難になるケースもあります。担保的な意味合いで利用する場合でも、金融取引と同様に契約内容を明確にしておくことが大切です。
さらに、将来債権の種類や範囲を具体的に特定していないと、二重譲渡や制限条項違反といった問題に発展する可能性があります。改正法により制度上は利用しやすくなったものの、「気軽に使える」という認識は危険です。契約書には、対象となる債権の範囲や期間、発生条件などを明確に記載し、後日の紛争を防ぐ必要があります。
将来債権譲渡は、資金繰り改善やビジネス拡大に期待できる有効な手段です。しかし、事業の状況や契約内容によってはリスクが顕在化することもあります。そのため、制度の意味を正しく理解した上で、専門家に相談しながら慎重に進めることが重要です。適切な管理を行えば、将来債権の活用は経営改善に大きく貢献する可能性を持っています。

利用者が知っておくべき法的ポイント

ファクタリングを利用する際には、「資金調達が早い」「審査が比較的柔軟」といったメリットだけでなく、法的なポイントについても理解しておくことが重要です。融資とは異なり、ファクタリングは売掛債権を買い取る契約です。そのため、法律上の位置づけや契約内容を知らないまま利用すると、思わぬトラブルにつながる可能性があります。
まず押さえておきたいのは、債権譲渡という仕組みです。契約が成立した時点で、売掛金を受け取る権利はファクタリング会社へ移転します。その関係性を理解せずに利用すると、「なぜ売掛先からの入金を自社で使えないのか」と混乱するケースもあります。契約書に記載された内容をよく確認し、自社がどのような立場になるのかを把握することが大切です。
また、償還請求権の有無も重要なポイントです。一般的にはノンリコース契約が主流ですが、契約内容によっては売掛先が支払わない場合に利用者へ返還義務が生じる場合もあります。この違いを知らないまま契約すると、赤字を防げるはずの資金調達が、逆に負担になる可能性もあります。
さらに、契約書の内容や手数料の内訳を十分に確認することも欠かせません。「すぐに資金が必要」「土日でも対応してもらえる」といった利便性だけで会社を選ぶのではなく、契約条件やサポート体制を比較したうえで選ぶことが重要です。選択肢は複数ありますので、焦らず検討する姿勢が求められます。
加えて、売掛先との関係にも配慮が必要です。通知方法や回収方法によっては、今後の取引関係に影響が出る場合があります。特に3社間ファクタリングでは、売掛先の承諾や理解が不可欠です。将来的なビジネス関係を維持するためにも、丁寧な説明や対応が求められます。
ファクタリングは、うまく活用すれば資金繰り改善に役立つ有効な選択肢です。しかし、法律的な仕組みや契約内容を理解しない限り、安心して利用することはできません。重要なポイントをまとめて確認し、自社の状況に合った方法を選ぶことが、トラブルを未然に防ぐ最善の方法といえるでしょう。

債務者保護とのバランス

ファクタリングは、売掛債権を活用して資金調達を行う有効な手段ですが、その仕組みの中には「債務者保護」という重要な視点が存在します。ここでいう債務者とは、売掛金を支払う立場にある取引先のことです。民法改正により債権譲渡禁止特約が原則無効とされたことで、債権者側の資金調達の自由度は高まりましたが、その一方で債務者の立場や権利をどのように守るかという点も慎重に考えられています。
改正民法では、債権譲渡自体は有効とされつつも、債務者が不利益を被らないような仕組みが整えられています。例えば、債務者は譲渡通知を受けるまでは従来どおり元の債権者に支払いを行えば足りるとされており、突然支払先が変わることによる混乱を最小限に抑える配慮がなされています。また、債務者が持つ相殺権などの抗弁も一定範囲で保護されており、単に債権者側の利益だけが優先される構造にはなっていません。
このように、ファクタリングは債権者の資金繰り改善を目的とする制度でありながら、債務者の法的地位とのバランスの上に成り立っています。利用者としては、自社の資金繰りだけに目を向けるのではなく、売掛先との信頼関係にも十分配慮する必要があります。特に3社間ファクタリングでは、債務者への通知や承諾が前提となるため、説明の仕方やタイミングによっては今後の取引に影響を及ぼす可能性もあります。
債務者保護の視点を理解していれば、契約時のトラブルも未然に防ぎやすくなります。ファクタリングは便利な制度ですが、当事者三者の関係の中で成り立つ仕組みであることを忘れてはなりません。法的なバランスを意識しながら活用することが、健全な取引関係の維持と安定した経営につながるのです。

民法改正で問題視されるようになったこと

民法改正によって利用しやすくなったファクタリングですが、逆に問題視されている点にも目を向けてみましょう。
・ファクタリング会社を装う「ヤミ金融業者」が増えた
・ファクタリングが身近な存在になったため、しくみを理解せずに利用する人が増えている
・ファクタリングに頼りすぎると、売掛先が業績悪化した時に対応できなくなる
上記はどれもファクタリングが便利であるがゆえに発生している問題点です。「ヤミ金融業者」の存在については金融庁も注意喚起を促しており、ファクタリング会社を選定する際には注意する必要性が高まっています。特に「審査がない」「契約書がない」「手数料の内訳が明確でない」などの場合は悪徳業者の可能性が高いのでご注意ください。
(参考)金融庁:ファクタリングに関する注意喚起
https://www.fsa.go.jp/user/factoring.html

ファクタリング契約時のチェックポイント

ファクタリングを安心して活用するためには、契約前の確認が非常に重要です。民法改正によって制度は使いやすくなりましたが、契約内容次第では思わぬ負担やトラブルにつながる可能性もあります。資金繰りを改善するための手段が、逆に経営リスクにならないよう、事前にしっかりチェックしておきましょう。
まず確認すべきなのは、「償還請求権の有無」です。一般的なファクタリングはノンリコース(償還請求権なし)契約ですが、契約書の内容によっては売掛先が支払わなかった場合に利用者へ返還義務が生じるケースもあります。条文をよく読み、回収不能時の責任の所在を明確にしておくことが大切です。
次に、「手数料の内訳と支払条件」です。単に手数料率だけを見るのではなく、登記費用や事務手数料などの追加費用が含まれていないかを確認しましょう。最終的に受け取れる金額がいくらになるのか、具体的な数字で把握することが重要です。不明点があれば、その場で説明を求める姿勢が必要です。
また、「債権譲渡通知の方法」も重要なポイントです。2社間ファクタリングか3社間ファクタリングかによって、売掛先への通知の有無や方法が異なります。通知のタイミングや内容によっては、取引関係に影響が出る可能性もありますので、慎重に検討しましょう。
さらに、「契約期間や自動更新条項」も見落としがちな点です。単発の取引だと思っていたら、一定期間の継続契約になっている場合もあります。解約方法や違約金の有無についても確認しておくと安心です。
そのほか、「債権譲渡登記の有無」や「損害賠償条項」なども重要な確認事項です。特に高額な取引では登記を求められる場合がありますが、その影響や費用負担について理解しておく必要があります。
ファクタリングは、適切に利用すれば資金繰りを支える強力な手段です。しかし、契約書を十分に確認せずに署名してしまえば、後から取り消すことは容易ではありません。焦って決断するのではなく、内容を丁寧に読み込み、納得したうえで契約を結ぶことが、安心して活用するための第一歩です。

契約書で確認すべき条項

ファクタリング契約を結ぶ際は、契約書の内容を丁寧に確認することが欠かせません。資金繰りに余裕がない状況では、早く現金を確保したい気持ちが先行しがちですが、条項を読み飛ばしてしまうと後から思わぬ負担が発生する可能性があります。
まず最優先で確認したいのが、償還請求権の有無です。これは売掛先が支払わなかった場合に、利用者が返還義務を負うかどうかを定める重要な条項です。ノンリコース契約であれば原則として返還義務はありませんが、条文の書き方によっては例外が設けられている場合もあります。責任の範囲がどこまで及ぶのかを明確にしておきましょう。
次に、手数料の計算方法とその内訳です。単純なパーセンテージだけでなく、事務手数料や振込手数料、債権譲渡登記費用などが別途発生することもあります。最終的に自社が受け取る金額がいくらになるのか、具体的な数字で確認することが大切です。
また、債権譲渡通知に関する条項も重要です。通知の方法やタイミングによっては、売掛先との関係に影響が出る可能性があります。2社間契約か3社間契約かによっても扱いが異なるため、実務上どのような流れになるのかを理解しておきましょう。
さらに、契約期間や自動更新条項、解除条件も見落としがちなポイントです。一度の取引のつもりが、継続契約になっているケースもあります。解約時の違約金や通知期限についても確認し、不利な条件がないかをチェックしてください。
契約書は単なる形式的な書類ではなく、双方の権利義務を定める重要な文書です。内容を十分に理解し、疑問があればその場で説明を求める姿勢が、安心してファクタリングを活用するための基本となります。

ファクタリングはメリットの多い魅力的な制度

ファクタリングは資金繰りが厳しい利用者にとってメリットが多い制度です。主なメリットは次のとおり。
・現金化に時間がかからない
・自社の業績が悪くても資金調達が可能
・売掛先の倒産に備えられる
・負債ではないため貸借対照表に影響しない
・2者間ファクタリングの場合、売掛先にばれる心配がない
民法が改正されたことによって譲渡禁止特約のついている債権でもファクタリングが可能になり、上記のようなメリットを享受できるようになりました。ファクタリングは「売上があるのに現金がない」状態を乗り切れる画期的なサービスです。今後はますます需要が高まっていくことが予想されます。資金調達にお悩みの経営者様は、これを機にファクタリングを検討されてみてはいかがでしょうか。

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MSFJ株式会社 広報部長

国立大学卒業後、ノンバンクでの8年勤務したのちファクタリング会社に就職。貸付ではないファクタリングというサービスに可能性を感じ約10年ファクタリングについてのコラムを執筆し、今後変わりゆくファクタリング業界についての最新情報発信を現在行なっています。
保有資格 ファイナンシャルプランナー、貸金業務取扱主任者
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