病院やクリニックの経営は一見安定しているように見えても、実際の資金繰りは決して楽ではありません。診療報酬は社会保険支払基金や国民健康保険に請求してから入金されるまでに約60日かかるため、その間に急な設備投資や運転資金の不足が発生するケースは珍しくありません。
銀行融資は審査に時間がかかり、少額では対応が難しいこともあります。そこで近年、医療機関の資金調達方法として注目されているのが「診療報酬ファクタリング」です。
診療報酬ファクタリングとは、将来受け取る予定の診療報酬債権をファクタリング会社に買い取ってもらうことで、入金期日前に早期資金化する仕組みです。通常のファクタリングと比べて手数料が格安(0.2%〜1%程度)で、売掛先が公的機関のため審査も通りやすく、病院・クリニック・整骨院・調剤薬局・介護施設など幅広い医療機関が利用できます。
本ページでは、診療報酬ファクタリングの仕組み・手数料・メリット・デメリットを詳しく解説します。
目次
病気やケガで治療を施した際、病院側は医療費の30%を患者から、残りの70%は「社会保険医療基金(社保)」または「国民健康保険団体連合会(国保連)」へ請求して支払ってもらうという仕組みになっています(小学生未満は2割、70〜74歳は2割、75歳以上は1割)。この70%分の医療費は、請求してから実際に支払われるまで最大2ヶ月程の時間がかかり、その期間は社保や国保からお金を受け取る権利、いわゆる「売掛債権」となります。
医療においてこの売掛債権を「医療報酬債権」とよび、これをファクタリング会社に買い取ってもらうことで現金化する仕組みを「診療報酬ファクタリング」と呼びます。「診療ファクタリング」「医療ファクタリング」「医療報酬ファクタリング」と呼ばれることもありますが、基本的な仕組みや内容に違いはありません。通常のファクタリング(一括ファクタリング)で取り扱われている債権が、医療報酬債権になったと考えていただければ問題ありません。
診療報酬ファクタリングで早期の資金化ができる債権は以下の3つです。病院・診療所に限らず、健康保険が適用される整骨院・鍼灸院・あんまマッサージ院・調剤薬局・介護施設なども利用できます(自費診療のみの場合は利用できません)。職種が違うだけで、診療報酬ファクタリングにおける仕組みは変わりありません。
診療報酬債権:病院や診療所などで提供される診療や治療の報酬を受け取る権利。介護報酬債権:介護施設などで提供される介護の報酬を受け取る権利。調剤報酬債権:調剤薬局で調剤を行った際の報酬を受け取る権利。
診療ファクタリングは国民健康保険や社会保険支払基金の許可を得て行う「3社間ファクタリング」の形態をとります。一般企業の3社間ファクタリングでは売掛先に知られることで心証がマイナスになるリスクがありますが、診療報酬ファクタリングではその心配がありません。売掛先の国民健康保険や社会保険支払基金は、全国に無数にある医療機関の一つに過ぎない申請者をまったく気にしません。そもそも国民健康保険や社会保険支払基金は、医療機関との取引をやめることができないため、3社間ファクタリングによって心証が悪化するという事態にはなりえません。また国保や社保が支払い不能になることもあり得ないため(もしあれば医療崩壊・国家存亡の危機)、ファクタリング会社にとってもリスクヘッジの意味で安心して利用できます。
申請者(医療機関)→バレてもデメリットがまったくない。ファクタリング会社→売掛先からの回収漏れがなく倒産がありえない。債務者(国民健康保険・社会保険支払基金)→個々の病院・クリニックの経営はどうでもよく、ネガティブな評価になりえない。誰も損もリスクもなく、安心して確実に回収できるモデルになっています。
①医療機関(申請者)とファクタリング会社で債権譲渡契約を結ぶ。②契約締結後、申請者とファクタリング会社の連名で国保・社保に債権譲渡通知を連絡。③ファクタリング会社が診療報酬債権の約80%〜95%(掛け目)を買い取り代金として医療機関に支払う。④国民健康保険や社会保険支払基金がファクタリング会社に支払日に診療報酬を支払。⑤先に支払ったファクタリング代金の残りから手数料を引いた金額を申請者に「返金」する。
診療報酬ファクタリングは貸し倒れや回収不能のリスクが低いため、手数料もかなり低くなっています。診療報酬ファクタリングの手数料率は0.2%〜1%(一説には0.5%〜3.0%)が目安で、3社間ファクタリングの1%〜10%、2社間ファクタリングの10%〜30%と比べると格安です。2社間ファクタリングの20分の1以下、3社間ファクタリングの10分の1程度で、ほぼ手数料を無視できるくらいに低い水準といえます。
掛け目(かけめ)とはファクタリングに一定の%をかけた金額を買い取り代金の最大値とする計算式です。「買取率」と言い換えることもできます。ファクタリングは回収不能リスクがあるため売掛債権の100%を買い取ることはせず、70%〜90%を上限としていることが多いですが、診療報酬ファクタリングの掛け目は80%〜95%と高く、中には「実質100%買い取り」を謳うファクタリング会社もあります。これは売掛先である国民健康保険や社会保険支払基金がほぼ100%潰れることはなく回収不能リスクがないためです。
参考:2社間ファクタリングの掛け目=70%〜80%。3社間ファクタリングの掛け目=80%〜90%。診療報酬ファクタリングの掛け目=80%〜95%(限りなく100%に近いものもある)。
通常の2社間ファクタリング(参考):売掛債権100万円・掛け目80%・手数料10%の場合。買い取り額=100万円×80%=80万円。手数料=80万円×10%=8万円。手元に残る現金=80万円-8万円=72万円。
診療報酬ファクタリングの計算事例:債権者=A内科、債務者=国民健康保険・社会保険支払基金、掛け目90%・手数料0.5%、2022年5月の診療報酬3,000万円(振込:2022年7月末)の場合。買い取り額=3,000万円×90%=2,700万円。手数料=2,700万円×0.5%=13万5千円。A内科が手にする現金=2,700万円-13万5千円=2,686万5千円。
この手数料率を年利換算すると、0.5%÷2ヶ月=0.25%、0.25%×12ヶ月=3%となり、銀行融資利率の平均(約3%)とほぼ変わりません。資金需要の緊急性などによって、融資とファクタリングを使い分けることが可能です。
一般企業のファクタリングでは売掛先の倒産による貸し倒れリスクを加味した手数料設定になりますが、診療報酬ファクタリングの売掛先は社保・国保連といった公的機関のため倒産リスクが極めて低く、手数料が格安に設定されています。
銀行融資では申込者の財務状況が重視されますが、ファクタリングでは売掛先の信用情報が重視されます。診療報酬ファクタリングの売掛先は経済力・信用度が高い公的機関のため、申込者が赤字決算や債務超過であっても審査に通過できる可能性が高いです。
一般の3社間ファクタリングでは、売掛先に債権譲渡を通知することで「資金繰りが苦しいのでは」と怪しまれるリスクがありますが、現在日本では国自体がファクタリングを推奨しており、社保・国保連に通知されても「今後、診療報酬は支払えません」となる事態はあり得ないため、心配は不要です。
診療報酬のサイトは2ヶ月であるため、初めてファクタリングすると6月入金分と7月入金分、2回分の売上を一気に現金化できるメリットがあります。急な資金需要増への対応として有効です。
融資は審査や手続きに時間がかかりますが、診療報酬ファクタリングは比較的早い資金化が期待でき、少額であっても利用しやすい点が特徴です。
初回は2ヶ月分の医療報酬債権が資金化できますが、継続的なファクタリングを行う場合は2ヶ月分しか医療報酬債権が資金化できません。そのため多額な資金調達が必要となる場合は、診療ファクタリングだけでは賄えないケースも出てきます。
診療ファクタリングの手数料相場は月0.5%〜3.0%で、通常のファクタリングと比較すれば非常に低いものの、長期的な資金調達コストで銀行融資と比較した場合は手数料が高めの設定といえます。早急に資金化が必要な際はファクタリングが有利ですが、コストパフォーマンスを重視した場合は銀行融資が有利なこともあります。
いくら低リスクとはいえ、手数料を支払う分だけ最終的な手取りは減ります。また、売掛金の「前借り」を続けると常習的になり、手数料分キャッシュフローが悪化し続けるリスクがあります。
調剤薬局も保健料より調剤報酬を売掛金として受け取っています。調剤報酬債権をファクタリングすることで、受取サイト前に現金を手にできます。
介護施設が提供する介護サービスも、後日、介護保険より介護報酬を受け取ります。介護報酬債権をファクタリングすることで、期日前に現金化が可能です。
本ページはMSFJ株式会社が提供する情報を統合・編集したものです。掲載情報は作成時点のものであり、内容は変更になる場合があります。詳細はMSFJへ直接お問い合わせください。

MSFJ株式会社は、法人企業はもちろん、個人事業主やフリーランスなど、幅広い事業者の資金調達ニーズに対応しているファクタリング会社です。少額では10万円程度の売掛債権から、大口では最大3億円規模まで買取対象としており、手数料も1%台から設定されるなど、コスト面でも利用しやすい条件が整っています。
特に評価されているのが対応スピードの早さです。「原則即日入金」を強みとしており、申込みから審査、契約、着金までの一連の手続きをすべてオンライン完結できます。条件が整えば、申請から短時間で資金を受け取ることも可能です。
サービス内容は画一的ではなく、法人向けや個人事業主向け、建設業に特化したプラン、他社利用者の切り替え専用サービスなど、事業形態に応じたメニューを用意しています。これにより、無駄のない審査とスムーズな資金化を実現しています。
契約手続きはすべてオンライン完結するので、実店舗への来店は不要です。移動の手間なく、資金受取まで進められるのは忙しい事業主様にとって大きなメリットといえるでしょう。
| 会社名 | MSFJ株式会社 |
|---|---|
| 入金までの時間 | 最短即日30分 | ファクタリングの種類 | 2社間ファクタリング、3社間ファクタリング |
| 買い取り手数料率 | 1.8%~9.8% |
| 即日資金化可能か? | 可能 | 債権譲渡登記 | 不要 |
| 審査通過率 | 90%以上 |
| 買い取り可能金額 | 10万円~3億円 |
| オンラインファクタリング(WEB査定)の可否 | 可能 |
| 対応エリア | 全国各地 |
| ファクタリング会社HPURL | https://msfj.co.jp/ |

株式会社No.1は、業界最低水準の手数料(1%~)で、即日対応が可能なファクタリングサービスを提供しています。東京、名古屋、福岡に拠点を構え、全国対応を実現。特に建設業に特化したサービスや他社からの乗り換えをサポートするサービスが強みです。2社間ファクタリングを専門とし、最短30分で審査完了、即日振込が可能。訪問対応や来社対応も行っており、柔軟なサポート体制が整っています。売掛債権(売掛金)をお持ちの法人様に最適なファクタリング会社です。
| 会社名 | 株式会社No.1 |
|---|---|
| 入金までの時間 | 最短30分 |
| ファクタリングの種類 | 2社間ファクタリング、3社間ファクタリング |
| 買い取り手数料率 | 1%~ |
| 即日資金化可能か? | 可能 |
| 債権譲渡登記 | 原則不要 |
| 審査通過率 | 90%以上 |
| 買い取り可能金額 | 30万円~ |
| WEB査定の可否 | 可能 |
| 対応エリア | 全国対応 |

JPSは、法人および個人事業主向けにファクタリングサービスを提供している会社です。
最短即日での資金化に対応しており、急な支払いや一時的な資金不足に悩む事業者の資金繰りをサポートしています。
契約条件を一律に決めるのではなく、事業者ごとの状況に応じて柔軟に対応している点が特長で、
資金調達について相談しながら進めたい方にも利用しやすいファクタリング会社といえるでしょう。
| 入金速度 | 最短即日。書類が揃い次第、スピーディーな資金化に対応しています。 |
|---|---|
| 審査通過率 |
非公開。売掛先の信用力や取引内容を重視し、 状況に応じた柔軟な審査を行っています。 |
| 手数料 | 非公開。売掛金の内容や契約条件に応じて個別に提示されます。 |
| 契約方法 |
オンライン対応 書面契約 電話やメールで相談しながら契約を進めることが可能です。 |
| 利用対象者 |
法人 個人事業主 中小企業を中心に幅広い事業者が利用できます。 |
| 利用可能額 |
50万円~5,000万円。 小口から中規模の資金調達まで対応しています。 |
| 債権譲渡登記 |
契約内容により異なります。 取引先に配慮した2社間ファクタリングの相談も可能です。 |
| 必要書類 |
本人確認書類 通帳コピー 請求書 審査内容により追加書類が必要となる場合があります。 |
| 大阪支社所在地 | 大阪府大阪市北区梅田2-6-20 パシフィックマークス西梅田4F |

| 入金速度 | 最短即日。審査は最短30分で、急ぎの資金調達にも対応可能です。 |
|---|---|
| 審査通過率 | 非公開ですが、中小企業・個人事業主でも利用しやすい柔軟な審査が特徴です。 |
| 手数料 | 2%~。明瞭な料金体系で追加費用が発生しない点が安心です。 |
| 契約方法 | オンライン完結型 対面契約。状況に応じて選択可能です。 |
| 利用対象者 | 法人 個人事業主。幅広い事業者に対応しています。 |
| 利用可能額 | 30万円~。少額案件から高額案件まで柔軟に対応可能です。 |
| 債権譲渡登記 | 不要契約に対応。取引先に知られずに資金化できます。 |
| 必要書類 | 身分証明書 通帳コピー 請求書。必要書類は最小限です。 |
| 本社所在地 | 大阪府大阪市中央区南船場1丁目3-9 プレミアム長堀ビル 5F |

JBLはオンライン完結型の売掛金買取サービスでWEBで全国24時間365日対応しています。
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| 手数料 | 2%~14.9% |
| 契約方法 | オンライン完結型 |
| 利用対象者 | 法人 |
| 利用可能額 | ~1億円 |
| 債権譲渡登記 | 債権譲渡登記なしでの契約も取り扱う |
| 必要書類 | 請求書 身分証明書 決算書 取引先との成因資料 6ヶ月分の通帳全て |
以上、診療報酬ファクタリングについて説明してきました。診療報酬ファクタリングは、廃業率が極めて低い医療機関と、公的組織である国民健康保険や社会保険支払基金を含む3社間で行われる仕組みのため、貸し倒れや回収漏れのリスクが極めて低い点が大きな特徴です。実績のあるスキームとして、多くの医療機関で活用されています。
レセプトをもとに発生する診療報酬債権をファクタリング会社へ送付し、審査・契約を経て早期に現金化する流れとなります。融資とは異なり、原則として担保や保証人は不要で、手続きも比較的簡便です。
そのため、低利・低コストで資金調達が可能となり、手数料を年利換算しても融資とそれほど大きく変わらない水準に収まるケースもあります。迅速で簡便な資金繰り対策として、選択肢の一つとして検討しておく価値は十分にあるでしょう。通常のファクタリングと比べても低リスクで活用できる点が大きなポイントです。
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