ファクタリングの審査が激甘な理由
ファクタリングの審査は、融資など他の資金調達方法と比較すると甘く、ファクタリング業界全体の審査通過率は90%を超えています。そのため、融資やカードローンの審査に通過できなかった信用力の低い中小企業や個人事業主を中心に利用者数が増加傾向にあります。しかし、審査が甘すぎるがために、逆に「あやしい。」という印象をお持ちの方も多いのではないでしょうか。そこで本章では、ファクタリングの審査が激甘な理由について解説していきます。
1.貸付ではないから
ファクタリングは、融資やカードローンのように利用者に対して「貸付」を行うものではなく、「売掛債権の売買サービス」であるため審査が激甘だといえるでしょう。貸付を行っている融資やカードローンの場合は、利用者に対してお金を貸し、そのお金を返済してもらう必要があります。一方ファクタリングの場合は、利用者に対して貸付を行うのではなく、売掛債権の売買サービスであるため、利用者の売掛先がきちんと売掛金を支払ってくれるかどうかが最も重要となります。つまりファクタリングの審査では、利用者の信用情報はそれほど重要ではないということです。そのため、利用者が赤字決済や税金滞納を経験しており、融資やカードローンの審査に通過できない状況であっても、ファクタリングでは売掛先の信用情報に問題がなければ利用することができます。融資やカードローンの場合は、「利用者に返済能力があるか」という点を重視します。また、未回収リスクを軽減するために、担保や保証人の用意を求めることが一般的ですが、ファクタリングの場合は必要ありません。このように、ファクタリングと融資やカードローンでは、審査で重要視するポイントや担保・保証人の有無が異なるため、審査が激甘と言われているのです。
2.オンラインで取引を完結することができる
新型コロナウイルスの影響もあり、オンライン完結型のファクタリングサービスを提供する会社が増えてきました。オンライン完結型が導入されたことにより、完全非対面、どこからでもファクタリングを利用することが可能になったため、以前よりもかなり利便性が高くなったといえるでしょう。一方、融資を受ける際は、必ず対面審査があります。これは、利用者の実績や売上、信用情報だけでなく、利用者の人間性も重要な審査ポイントとなるからです。このように、オンライン完結型のファクタリングでは「人間性」の審査がないため、審査が激甘だといわれています。オンライン完結型のファクタリングでは、人間性の審査がなく、売掛債権の存在を証明することができる書類を提出することができれば、問題なく利用することができます。また、24時間どこからでも申込を行うことができるため、資金調達スピードの早さにも期待が持てます。しかし融資の場合は、対面で人間性の審査を行うため、提出書類に問題がなくても担当者によって審査通過率が異なることも珍しくはありません。
3.未回収リスクが低い
ファクタリングの審査が激甘の理由の1つとして、未回収リスクが低いという点が挙げられます。というのも、ファクタリング会社が買い取る債権のほとんどが、商品・サービスの提供・検収が完了しており、入金日が決まっている確定債権だからです。もちろん、売掛先の倒産や経営悪化などによる未回収リスクや2社間ファクタリングにおいて利用者が売掛金を持ちにげ・使い込みをするリスクもありますが、これらのリスクは事前に防ぐことが可能であるため、ファクタリングは未回収リスクの低い資金調達方法だといえるでしょう。未回収リスクが低ければ、当然のことながら審査は激甘になります。一方融資の場合は、返済できるお金を保有していない利用者に対して長期的に貸付を行うことがほとんどであるため、未回収リスクが高いといえるでしょう。未回収リスクが高ければ、もちろん審査も厳しくなります。このように、融資などほかの資金調達方法と比べて「未回収リスクが低い」ことも、審査が激甘だといわれている理由の1つだといえるでしょう。
激甘のファクタリング審査に落ちないためのポイント
激甘と言われているファクタリング審査ですが、審査に落ちてしまうこともあります。しかし、審査に落ちないためのポイントを押さえておくことで審査通過率を高めることが可能です。本章では、激甘のファクタリング審査に落ちないためのポイントについて解説していきます。
1.売掛債権の存在を証明することができる書類をできるだけ多く提出する
ファクタリング審査では、売掛債権が本当に存在しているものなのかという点を重視しています。これは、利用者による二重譲渡などの詐欺行為を防ぐためです。ファクタリング会社が、二重譲渡で存在しない売掛債権を買取ってしまった場合、損失を受けてしまうことになるため、売掛債権の存在を証明することができなければ、審査に落ちてしまう可能性が高いといえるでしょう。しかし、契約書・見積書・発注書・受注書・納品書などの売掛債権の存在を証明することができる書類を提出することで審査通過率を高めることができます。さらに、売掛先と継続的な取引を行っていることを示す売掛先との基本契約書があれば審査通過率が格段に上がります。このように、売掛債権の存在を証明することができる書類をできるだけ多く提出することは、激甘のファクタリング審査に落ちないためのポイントだといえるでしょう。
2.信用力の高い売掛先との債権を利用する
ファクタリング審査では、売掛先の信用力や経営状況を重要視します。なぜなら、ファクタリング会社が買い取った売掛債権は売掛先から回収するからです。そのため、ファクタリング会社にとって未回収リスクの低い、大手企業や官公庁などの信用力の高い売掛先との債権を利用することで、審査通過率を高めることができます。また、信用力の低い売掛先との債権であっても、継続的に取引を行っていることを証明できれば審査に通過できる可能性が高くなります。一方で売掛先の信用力が低い場合は、ファクタリング会社の未回収リスクが高くなるため、審査に落ちてしまう可能性が高くなります。また、たとえ審査に通過できたとしても、手数料が割高になるなど、利用者にとって不利な契約となってしまうことも十分考えられるでしょう。このように、信用力の高い売掛先との債権を利用することも、激甘のファクタリング審査に落ちないためのポイントだといえます。
3.支払期日までの期間が短い債権を利用する
ファクタリング審査では、支払期日までの期間が長い債権よりも短い債権の方が審査に通過しやすい傾向にあります。なぜなら、支払期日までの期間が長い債権を買取ることで、売掛先の倒産や経営悪化などの理由により、売掛金が未回収となってしまう可能性が高いからです。また、長期間ファクタリング会社の資金が不足する状況にも陥るため、資金力の低いファクタリング会社では、特に審査に通過することは難しいといえるでしょう。資金力の高いファクタリング会社であっても、支払期日までの期間が長い場合は手数料が割高になったり、最悪利用を断られるケースも珍しくはありません。支払期日までの期間は1ヶ月以内が理想的で、長ければ長くなるほど審査に通過できる可能性が低くなります。そのため、激甘のファクタリング審査に落ちないためのポイントとして、支払期日までの期間が短い債権を利用することも重要だといえるでしょう。
審査が激甘のファクタリング会社の特徴
審査が激甘のファクタリング会社には、いくつかの特徴があります。特徴を把握しておくことで、利用を検討しているファクタリング会社の審査基準をある程度把握することが可能です。本章では、審査が激甘のファクタリング会社の特徴について解説していきます。
1.即日入金が可能
審査が激甘のファクタリング会社の特徴として、即日入金が可能であることが挙げられるでしょう。なぜなら、審査が厳しいファクタリング会社であれば審査に時間がかかるため、即日入金することは不可能だからです。ただし、即日入金が可能であるファクタリング会社は、それほど審査に時間をかけていないため、審査が激甘なのではないかと予測を立てることができます。そのため、公式サイトなどで「即日入金可能」など資金到達スピードの早さに強みを持っているファクタリング会社は、審査が激甘な傾向にあるといえるでしょう。
2.個人事業主・フリーランスでも利用可能
審査が激甘のファクタリング会社では、個人事業主やフリーランスでも利用可能であるケースがほとんどです。審査の厳しいファクタリング会社は、基本的に個人事業主やフリーランスではなく企業を利用対象としています。これは、企業と比べて個人事業主・フリーランスは信用力が低いからです。また、従業員などがいないため、ファクタリング利用者による売掛金の持ち逃げリスクも高くなります。このようなリスクを顧みず、個人事業主・フリーランスでも利用可能なファクタリング会社の審査は、激甘だといえるでしょう。
3.必要書類が少ない
ファクタリング審査では、必ず書類の提出を求められます。一般的には身分証明書や請求書など4~5種類の書類を提出すれば問題ありませんが、審査の厳しいファクタリング会社は売掛先の資金繰りや財務状況など、様々な情報を調査するため10種類以上の書類が必要になるケースも珍しくありません。審査に必要な書類が少ないということは、それだけ限られた情報で審査を行っているということであるため、審査が激甘な可能性が非常に高いといえるでしょう。
4.手数料が高い
審査が激甘のファクタリング会社は、審査が厳しいファクタリング会社と比べて手数料が高い傾向にあります。なぜなら、審査が甘ければ甘いほど未回収リスクが高くなるからです。ファクタリングでは、融資のように未回収リスクの備えとして担保・保証人の用意を求めることはほとんどありません。また、原則償還請求権もないため、手数料でリスクをカバーするしかないのです。審査が厳しいファクタリング会社の場合は、売掛先の信用力や経営状況などを入念に調査するため、審査が激甘のファクタリング会社よりも未回収リスクが低く、手数料も低い傾向にあります。そのため、手数料が高いことも審査が激甘のファクタリング会社の特徴の1つだといえるでしょう。
5.債権譲渡登記が必要
審査が激甘のファクタリング会社では、債権譲渡登記が必要となるケースがほとんどです。債権譲渡登記とは、売掛債権の保有者が利用者からファクタリング会社へ移行したことを法的に証明するもので、2社間ファクタリングを利用する際に求められることがあります。債権譲渡登記を行うことで、ファクタリング会社としては売掛債権の二重譲渡などのリスクを防ぐことができます。また、利用者が倒産・破産した場合には、売掛先からファクタリング会社へ売掛金の支払いが必要であることを証明することができるため、未回収リスクも軽減することができるのです。このように、債権譲渡登記が必要となるファクタリング会社では、様々なリスクを軽減することができるため、審査が激甘な傾向にあります。
まとめ
本記事では、ファクタリングの審査が激甘な理由と審査に落ちないためのポイントについて解説させていただきました。ファクタリング会社の中には審査が厳しい会社も存在しますが、正直なところ融資やカードローンなどの審査と比較すると、ファクタリングの審査は激甘だといえます。そのためファクタリングは、融資やカードローンの審査に落ちてしまった場合には、おすすめの資金調達方法だといえるでしょう。とはいえ、激甘だと言われているファクタリング審査であっても落ちる可能性は十分にあるため、本記事で解説した「激甘のファクタリング審査に落ちないためのポイント」を参考にし、できるだけ審査が激甘のファクタリング会社を利用するようにしましょう。