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ファクタリングの二重譲渡│バレる理由や事例について解説!

近年、資金繰りに悩む中小企業にとって、売掛債権を活用したファクタリングは、銀行融資と同じように事業資金を確保できる有力な調達手段として注目されています。売上は立っているものの入金までに時間がかかるといった状況の中で、早期に現金を手にできる点は大きな魅力といえるでしょう。しかし、その一方で、ファクタリングに関する知識が十分でないまま利用してしまうと、思わぬ問題に発展するケースも少なくありません。

特に注意すべきなのが「二重譲渡」です。これは、自社が保有する一つの売掛債権を、複数の業者に譲渡してしまう行為であり、資金繰りが厳しい時ほど判断を誤りやすい危険な行為です。「別の会社にも売ってしまえば、もう一度資金を確保できるのではないか」と考えてしまう気持ちは理解できますが、この行為は明確な違法行為であり、後戻りできない結果を招く可能性があります。

また、ファクタリングは仕組み上、契約内容や管理体制を正しく理解していなければ、意図せずリスクを抱え込んでしまうことがあります。契約前の確認不足や、社内ルール化の未整備が原因で、結果的に二重譲渡とみなされてしまうケースもゼロではありません。こうしたリスクを防ぐためには、社内の資金管理体制を見直ししていくことが重要です。

本記事では、ファクタリングにおける二重譲渡とは何か、その具体的な仕組みや発覚する理由、そして実際にどのような責任を問われるのかについて詳しく解説していきます。さらに、ファクタリング会社からの通知や調査によって、どのように問題が明るみに出るのかも整理していきます。正しい理解と冷静な対応を身につけることで、改めて二重譲渡の危険性の理解を深めていくためにぜひ最後までご確認ください。

 

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ファクタリングにおける二重譲渡とは

ファクタリングにおける二重譲渡とは、同一の売掛債権を2社に売却し、それぞれから買取金額を受け取る違法行為です。
二重譲渡は、本来売主が1つしかない資産を複数の買主に別々に譲渡するという意味で、主に不動産業界で用いられている言葉です。
不動産業界の場合、不動産という現物資産を譲渡するため、2重譲渡した場合にはすぐに発覚する可能性があります。
しかし、ファクタリングで譲渡対象となる「売掛債権」は、不動産のように目に見えるものではないため、二重譲渡の発覚が遅れてしまうことが多々あります。
ファクタリングで二重譲渡をした場合、先に売掛債権を譲渡したファクタリング会社に対しては売掛金の支払いが可能ですが、2社目以降のファクタリング会社に対しては、売掛金の支払いを行うことが難しくなります。
ファクタリング会社への支払いを滞った場合は債務不履行となり、契約上の責任を問われることになります。

ファクタリングにおける二重譲渡の具体例

ファクタリングにおける二重譲渡のイメージをつかむために、本章では具体例について解説していきます。
具体例では、100万円の売掛債権を、2社のファクタリング会社に譲渡したと仮定します。
利用者は資金繰りの改善を目的に、A社のファクタリングを利用しました。
A社では、ファクタリングする際に10%の手数料が発生し、90万円ほどの資金調達に成功しました。
しかし、利用者はA社で資金調達をしてもなお、資金繰りが改善されないことから、B社のファクタリングを利用しようと考えます。
B社では、Aよりも高い15%の手数料が発生しますが、A社で使用した売掛債権を使えば、1つの売掛債権で85万円の利益を得られることになります。

 

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ファクタリング会社は二重譲渡を警戒している

ファクタリング会社は、利用者が申し込みを行った時点から二重譲渡を警戒しています。
ファクタリング会社は、二重譲渡の被害にあった場合、損害賠償請求によって売掛金の回収を試みたとしても、すべてを回収できないケースがほとんどです。
そのため、二重譲渡の被害にあったファクタリング会社は、損失を受けることになります。
ファクタリング会社は、二重譲渡による損失を回避するために、申込内容の確認や売掛債権の存在を証明できる書類の提出を求めるなどしています。
特に売掛先が取引に関与しない2社間ファクタリングにおいては、3社間ファクタリングよりも二重譲渡の危険性が高まるため、慎重に審査を行っています。

二重譲渡を防ぐために事業者が取るべき基本対策

ファクタリングにおける二重譲渡は、意図せず発生した場合でも犯罪(詐欺罪や横領罪)として扱われる可能性があり、事業者にとって極めてリスクの高い行為です。とくに資金繰りが厳しいタイミングでは、「最短で現金を得たい」「簡単に現金化したい」という心理が働きやすく、冷静な判断を欠いてしまうケースも多いのが事実です。だからこそ、事前に正しい仕組みを理解し、二重譲渡を防ぐための基本対策を講じることが必須となります。

まず重要なポイントは、売掛債権の管理体制を明確にすることです。どの取引先の売掛金を、いつ、いくらの金額・額で、どの手段として活用しているのかを社内で把握し、経理・代表者間で情報を共有することが欠かせません。これを怠ると、担当者ごとに判断が異なり、結果として同じ債権を複数の業者に依頼してしまうリスクが高くなります。

次に、ファクタリング会社を選ぶ際の視点も重要です。サイト上の広告や「即日・無料対応」といった言葉だけで判断するのではなく、これまでの実績や契約内容、条件をしっかり比較しましょう。信頼できる業者は、二重譲渡防止の観点から審査が厳しい傾向にありますが、それは利用者を守るためでもあります。逆に、審査が極端に甘く、数千万単位の高額な金額でも即決する業者は、詐欺まがいの対応を行う可能性もあり注意が必要です。

また、債権譲渡登記の有無や通知方法についても理解しておくことが大切です。登記や通知を行うことで、その債権がすでに譲渡済みであることが第三者にも明確になり、その後のトラブル防止につながります。これは当然の対策であり、正しく取得・管理されていれば、二重譲渡を疑われる結果を回避することができます。

さらに、複数の資金調達方法を併用する場合は、ファクタリングだけに頼らず、融資や補助金・助成金など他の提供されている制度も活用し、資金調達の選択肢を分散させることが有効です。多くの中小企業が陥りがちですが、「高くついても今すぐ必要」という判断が、後に大きな業務上の問題を招くケースも実際に存在します。

二重譲渡は「知らなかった」では済まされない行為です。正しい知識を持ち、冷静に状況を見極めた選択を行うことが、自社を守る最大の防御策となるでしょう。

二重譲渡を未然に防ぐために見直すべき社内管理体制

ファクタリングにおける二重譲渡を未然に防ぐためには、社内の管理体制を根本から見直すことが欠かせません。とくに中小企業では、代表者や一部の担当者だけで資金調達を判断しているケースも多く、少額の取引だからと油断してしまうことが、後々大きなトラブルにつながることがあります。まず重要なのは、売掛債権に関する情報を属人化させず、組織として一元管理する仕組みを整えることです。

具体的には、請求書だけでなく注文書や契約書、入金予定日などを含めて管理台帳を作成し、「どの債権を・誰が・どの目的で使っているのか」を明確にしておく必要があります。法人取引だけでなく、個人事業主や個人との取引や小口案件も対象に含めることで、抜け漏れを防ぐことができます。「金額が安いから大丈夫」という判断が重なった結果、同じ債権を誤って複数の業者に持ち込んでしまうケースは決して珍しくありません。

また、従来から利用している手形取引や、融資・ファクタリングを併用している場合は、資金調達手段ごとの違いを正しく理解することも重要です。ファクタリングは貸付ではありませんが、契約内容によっては貸金業に該当すると判断されるリスクもあるため、契約条件や管理ルールを曖昧にしないことが求められます。実際に、管理不足が原因で「踏み倒しを疑われた」「故意ではないのに違法行為とみなされた」といった事例も存在します。

さらに、国としても中小企業の資金調達環境の健全化を重視しており、経済産業省も売掛債権を活用した資金調達の透明性や適正な運用を呼びかけています。こうした動きを踏まえ、社内ルールの整備や定期的な見直しを行うことは、単なるリスク回避にとどまらず、企業としての信用力向上にもつながります。

二重譲渡は「悪意がなかった」では済まされない問題です。だからこそ、日常的な債権管理の徹底と、社内全体での情報共有体制を構築し、誤解や不正を生まない環境を整えることが、事業を守る最も現実的で確実な対策といえるでしょう。

ファクタリングの二重譲渡は絶対にバレる!

結論から申し上げますと、ファクタリングの二重譲渡は絶対にバレます。
申し込み方法などにより、二重譲渡の発覚を遅らせることもできますが、最終的にはバレてしまう違法行為であるため、絶対にしてはいけません。
ファクタリング会社は、利益を得るためにファクタリング事業を運営しているため、二重譲渡の被害にあった場合は、少しでも損失を減らそうとします。
損害賠償請求に加え、詐欺罪や横領罪などで訴えられる可能性も否定できません。
「バレないかもしれない」と安易な気持ちで二重譲渡を行うと、社会的な信用を失い、経営の継続が難しくなる可能性もあります。

ファクタリングの二重譲渡がバレる理由

ファクタリングの二重譲渡は、遅かれ早かれ必ずバレてしまいます。
では、なぜ二重譲渡はバレてしまうのでしょうか。
本章では、ファクタリングの二重譲渡がバレる理由について解説していきます。

1.債権譲渡登記の調査

ファクタリング会社に申し込みを行った際は、まず売掛金をいくらで買い取るかという見積もりが提示されます。
ファクタリング会社は、見積もりを作成するにあたり、買取対象の売掛債権が他社に譲渡されていないかを確認するために、法務局で債権譲渡登記を調査します。
債権譲渡登記とは、売掛債権が第三者に譲渡されたことを法的に証明するものであり、法務局にて誰でも閲覧することが可能です。
オンラインファクタリングなど、スピードを重視しているファクタリング会社では、債権譲渡登記の調査を行わないケースもありますが、そうでないファクタリング会社では、必ず債権譲渡登記の調査が行われるため、二重譲渡がバレてしまいます。

2.債務不履行に陥る

ファクタリングで二重譲渡を行った場合、2社のファクタリング会社に対して、売掛金を支払う必要があります。
ただ、一社への支払が実行できる売掛金しか得ることができないため、債務不履行に陥り、どちらか1社への支払いを実行することができなくなります。
債務不履行に陥った場合、ファクタリング会社は債権譲渡登記の調査などを行うため、二重譲渡していることがバレることになります。
ファクタリング会社への支払期日に、2社への支払いを実行できる資金を持っていればバレないかもしれませんが、法律違反である二重譲渡を行った企業または個人事業主が、それほどの資金を用意することは難しいといえるでしょう。

3.利用者側の企業から内部告発があった

ファクタリングで二重譲渡を行った場合、経理担当者などからの内部告発によってバレてしまうケースも多々あります。
二重譲渡を行うと、会社のお金の流れが不自然になるため、経理担当者に気づかれてしまう可能性があります。
正義感の強い経理担当者であれば、違法行為である二重譲渡を許せず、ファクタリング会社に対して内部告発をする可能性も否定できません。
また、二重譲渡をしていると、売掛先から入金された売掛金をどちらのファクタリング会社に入金すればよいか分からず、経理担当者などからファクタリング会社へ問い合わせがあります。
問い合わせがあった段階で、ファクタリング会社に二重譲渡がバレてしまうことになります。

二重譲渡と疑われた場合に事業者が取るべき対応

ファクタリングを利用した資金調達において、意図せず二重譲渡と疑われる状況に陥ることは、中小企業にとって決して珍しいことではありません。このような場面では、慌てて対応すると事態をさらに悪化させてしまう可能性があります。まず大切なのは、冷静に現状を把握し、安全かつ適切な行動を取ることです。これがトラブルを防ぐための基本であり、結果的に安心につながります。

最初に行うべきコツは、ファクタリング会社からの連絡内容を正確に確認することです。売掛債権についての照会が入った場合は、対象となっている取引や契約書、債権の設定状況をすぐにチェックしましょう。契約内容や譲渡条件は会社ごとに一般的なものと異なる場合があり、過去の契約が更新されているケースもあります。思い込みで判断せず、書面をもとに事実関係を整理することが重要な点です。

次に、資金繰りへの影響を見極める必要があります。二重譲渡を疑われた状態をそのまま放置すると、キャッシュフローが不安定になり、事業資金の確保が難しくなる恐れがあります。売掛金が一時的に手元に入らなくなるケースもあるため、早めに今後の対応を検討し、資金計画を立て直すことが求められます。この際、不要な支出を抑え、資金流出を低い水準に保つ工夫も有効です。

対応の過程では、専門家や第三者の支援を受けることも有効な手段です。弁護士や税理士など、ファクタリングに経験のある専門家に相談することで、自社の権利を守りつつ、最適な解決策を見つけやすくなります。社内だけで抱え込むよりも、外部の知見を活用した方が信頼性の高い対応が可能となり、取引先や金融機関からの評価を下げにくくなります。

また、二重譲渡と疑われた場合は、今後の再発防止策も同時に考える必要があります。売掛債権の管理方法や社内ルールを見直し、基礎的な管理体制を整えることで、同様の問題が起きるリスクを減らすことができます。利用するファクタリング会社の選び方を見直すことも重要で、条件や対応姿勢を比較し、自社にとって良いパートナーを見極めることが大切です。

二重譲渡は、たとえ故意でなくても社会的な信用に影響を与える可能性があります。しかし、正しい手続きを踏み、適切に対応すれば、多くの場合は解決が可能です。状況に応じて柔軟に対応し、新たな資金調達方法や制度の活用も視野に入れながら、長期的に安定した経営を目指しましょう。焦らず一つずつ対応することが、結果として事業を守る最善策となります。

ファクタリングで二重譲渡をした会社の事例

上述したように、ファクタリングの二重譲渡は必ずバレます。
しかし、一時の資金繰りを改善するために、二重譲渡を試みる方も少なくはありません。
二重譲渡では、一時的に資金繰りを改善できるかもしれませんが、損害賠償請求や何らかの罰則を受けるなど、リスクが大きいことを理解してください。
本章では、ファクタリングで二重譲渡をした会社の事例について解説していきます。

刑事告訴の対象となる

ファクタリングの二重譲渡は、詐欺罪や横領罪にあたる犯罪行為であるため、刑事告訴の対象となります。
刑法第246条において「人を欺いて財物を交付させたものは、十年以下の懲役に処する」と規定されており、存在しない売掛債権を譲渡する「二重譲渡」はこれに該当します。
ファクタリングにおける二重譲渡は、すでにほかのファクタリング会社に売却済みの売掛債権を譲渡する行為であるため、「知らなかった」など言い逃れは不可能です。
また、ファクタリング会社が二重譲渡だと気づき、買取が実行されなかった場合でも、詐欺未遂罪などの罪に問われる可能性が高いため、注意が必要です。
このように、ファクタリングで二重譲渡をした会社は、刑事告訴を起こされ、何らかの刑罰を受けることになります。

民事訴訟を起こされる

ファクタリングで二重譲渡を行った場合、ファクタリング会社は損失を回収するために、民事訴訟を起こし、損害賠償請求を行います。
損害賠償請求は、売掛金の金額だけなく、裁判費用やファクタリング会社に与えている損害などを合わせて請求されます。
二重譲渡を行った会社に弁解の余地はないため、損害賠償請求された金額を支払わなければいけないことになるでしょう。
二重譲渡を行うことによって、本来ファクタリング会社に対して支払わなければいけない売掛金以上の金額を支払うことになるため、二重譲渡はリスクの大きい行為だといえます。

倒産に陥る

ファクタリングで二重譲渡を行い、刑事告訴や民事訴訟にまで発展すると、社会的な信用を失うことになります。
これまでの取引先の信用を失うだけでなく、新規取引先の開拓も不可能になるため、倒産に陥ってしまうことになるでしょう。
もし、これまでの取引先との取引を継続できたとしても、信用取引ではなく現物取引に切り替わる可能性が高いため、資金繰りが悪化してしまう可能性が高いです。

ファクタリング二重譲渡のまとめ

今回は、ファクタリングの二重譲渡がバレる理由と二重譲渡をした会社の事例について解説させていただきました。
ファクタリングにおける二重譲渡は、必ずバレる行為であり、何らかの罰則を受けるリスクがあることを忘れないでください。
ファクタリング会社側から、民事訴訟により多額の損害賠償請求を受けた場合には、経営の継続が不可能になってしまうことも十分に考えられます。
そのため、どれだけ資金繰りに困っていたとしても、ファクタリングでの二重譲渡は絶対にしないでください。

 

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MSFJ株式会社 広報部長

国立大学卒業後、ノンバンクでの8年勤務したのちファクタリング会社に就職。貸付ではないファクタリングというサービスに可能性を感じ約10年ファクタリングについてのコラムを執筆し、今後変わりゆくファクタリング業界についての最新情報発信を現在行なっています。
保有資格 ファイナンシャルプランナー、貸金業務取扱主任者
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