ファクタリングを提供している業者は、許認可を受けているのかわからないケースが多くなっています。
許認可が必要とされている場合、認可が取れていない業者を利用するのは危険とされています。
本当に許認可を取らなければならないのか、知っておくのは利用者側も重要です。
この記事では、ファクタリングに許認可が必要とされているのか説明します。
ファクタリングは許認可が必要ない
ファクタリングは許認可が必要なサービスではありません。
一見すると金融関連の許認可を取らなければサービスを提供できないように思われていますが、実際には何も許可を取らずにサービスを提供できます。
会社を立ち上げればサービスを提供できるという観点から、業者としては参入しやすいサービスであるのは間違いありません。
許認可が必要とされていない理由としては、次の理由があります。
1. 貸金業を提供しているわけではないため
2. 古物商にも該当するサービスではないため
3. ファクタリングに関する法律がないため
4. 必須の許認可がそもそも存在しないため
提供しているサービスは貸金業ではなく売掛債権の買取サービスとなっていますので、貸金業者としての登録や許認可は必要ありません。
また、売掛債権の買取という観点では古物商の許可が必要と思われていますが、実際には許可がなくてもサービスを提供できます。
全てはファクタリングに関連している法律が存在していない点が大きな要素となっており、法律面での整備が進まない限りは無許可でもサービスを提供できるのです。
ここからは、許認可が必要とされていない理由を詳しく説明します。
1.貸金業を提供しているわけではないため
ファクタリングは貸金業としてサービスを提供しているわけではありません。
行っているサービスは売掛債権を買い取って現金を提供するサービスとなっており、お金を貸しているわけではなく買取サービスです。
お金を貸して利息を得る方法であれば貸金業の登録が必須とされていますが、貸金業に該当するサービスではないため登録の必要はありません。
ファクタリングと貸金業は全く別のサービスとして利用されているのは次の理由からもわかります。
売掛債権の譲渡契約で資金を得ているため
金銭消費貸借契約に該当していない
貸金業に該当するサービスと判断されていない
売掛債権を買取るサービスというのは、譲渡契約に該当するものではありますが、譲渡契約というのは貸金業ではありません。
貸金業では金銭消費貸借契約を結んでサービスを提供するものとなっていますが、金銭消費貸借契約は締結されませんので貸金業を利用しているわけではないのです。
ファクタリングは貸金業として判断されていないため、現時点では貸金業に登録しなくてもサービスを提供できます。
参入するための敷居が下がっている点は業者としても大きくなっており、色々な業者が参入に動いているのは事実です。
2.古物商にも該当するサービスではないため
売掛債権の買取によって資金を提供しているサービスと思われていますが、買取サービスというより譲渡契約に該当しますので古物商のサービスでもありません。
古物商は古物の買取には必須とされている資格となっていますが、売掛債権を譲渡して買い取っているサービスとなっていますので譲渡契約が優先されます。
ファクタリングでは譲渡して買い取ってもらうという方法を採用している形となるため、古物商の対象外となっており、登録しなくてもサービスを提供できます。
利用しやすい状況を作り出している背景には、古物商も関係していない点が大きくなっています。
3.ファクタリングに関する法律がないため
ファクタリングは関連している法律がまだ整備されていない点もあり、許認可に関連する項目が一切ありません。
整備されていれば許認可が必要とされている可能性もありますが、現時点で許認可が必要とされている部分はないため業者は自由に開業できる状況を作れます。
法律として整備されるまでの間、自由に開業してサービスを提供できるのはかなり大きなポイントでもあり、安心して利用できる要素となっています。
今後も法律が整備されていかない限り、売掛債権を譲渡するだけであれば法律による規制はありません。
4.必須の許認可がそもそも存在しないため
ファクタリングには必須とされている許認可がそもそも存在していません。
許認可が必要とされているようであれば、業者側がしっかり許認可を取得してサービスを提供することとなりますが、現時点で必須とされているものはないのです。
本当に必要とされている認可があれば利用者側も安心できますが、ファクタリングに関連する法律が整備されていないのもあり許認可はいらないのです。
許可を取らなくてもサービスを提供できるという部分は、利用する側にとって業者の信頼性をしっかり見ていなければならない要素を作り出しています。
ファクタリングは金融庁からも警告が出ている
許認可を取らなくてもサービスを提供できるファクタリングですが、金融庁から警告が出ている状態となっており、利用する際は注意しなければなりません。
一見すると誰でも利用できる状態であり、なおかつサービスを提供している業者も参入しやすい状況となっていますが、参入しやすいのが大きなデメリットとなっています。
参入してくるのは良い業者だけではなく、悪質なサービスを提供したいと考えている業者側も入ってきており、特に反社会的勢力の参入が増えています。
気をつけておかなければならない業者は次のとおりです。
ファクタリングに偽装している闇金
売掛債権を買取るふりをしている闇金
高利貸しを優先してサービスを提供する悪質業者
本来であれば買取サービスを提供するのが一般的な方法となりますが、買取サービスではなく偽装している闇金として売掛債権を買取るように見せかけている場合があります。
売掛債権を譲渡して買取るように見せかけて、高利貸しのサービスを提供してお金を貸すという方法を利用し、お金を貸す方向に持っていくように進めているのが要因です。
金融庁からも無許可でサービスを提供しているという観点から、ファクタリングを利用する際は安心してサービスを提供している業者を使うように警告されています。
闇金業者が参入しているのは事実でもありますし、安心して利用できるかどうかも不明となっているところがありますので、知らない業者には近づかないようが無難です。
わからない時は知名度を優先してサービスを利用していこう
ファクタリングは業者の知名度というのは分かりづらくなっていますが、利用する際に知られている業者、比較的取り上げられているサイトなどが存在しています。
色々なところで取り上げられているようなところでサービスを提供しているようであれば、安心して買取サービスが提供できるものと判断できるため、利用しやすい状況になります。
一方で知名度を優先しなければ怪しい闇金に接触する可能性も高まっていくことから、できる限り知らないような業者に近づかないようにする対策は取ってください。
知名度を優先してサービスを利用する方向に進んでいけば、失敗する状況を大幅に防げるようになっていくので安心感も増えていきます。
今後のファクタリングは許認可が必要となっていくのか
今後のファクタリングは許認可が必要とされていくのか、その答えはまだ見えてきません。
適切なサービスを提供していると判断されているようであれば問題なく無許可でのサービスを提供していくと見られますが、問題が起こってしまうと対策されます。
特に闇金業者が積極的に参入しているなどの問題により、明らかに業界内が荒れていると判断された場合は対策されてしまい、許認可を取らなければならない状況もあり得ます。
今後注目されるのは次の要素です。
許認可を実際に出す方向で動くのか
無許可業者を排除する方向性を示せるか
買取サービスを利用しやすい状態とするのか
許認可を出す方向で動くようであれば、闇金は排除できるようになっていくため安心感は得られるものの、一部の業者は許可を取りたくないため撤退する方向で動きます。
無許可業者を排除していい環境を整備すれば、ファクタリングを利用したいと考えている人にも安心感は生まれるものの、逆に許可を取るまでに時間がかかってサービスが使えない問題も指摘されます。
他にも売掛債権の譲渡という方向で何らかの規制をつけられるのかと判断されている点もあり、規制強化などを実施できるかどうかも微妙なところです。
今後の規制方向によっては、ファクタリングも許認可が必要とされてしまい、利用できる業者の数は減っていく可能性も指摘されています。
許認可が必要となれば弱小業者は消えてしまう
許認可が必要とされる状況になってしまえば、本来無許可でサービスを提供しているために参入しているような弱小業者は生き残れなくなってしまいます。
許可を取らなければサービスを提供できない状態となっていますが、許可を取るためには色々な手続きが必要ですし、信頼性も求められてしまいます。
資金面で厳しいとされているところが登録を希望したとしても、大手よりも弱いと判断されて利用されなくなってしまうため、生き残りは相当厳しい状況です。
今後のためにも許認可が必要となっていくかは弱小業者にとって重要なポイントでもあり、将来的な業者の利用状況にも影響していくのです。
ファクタリングの許認可まとめ
ファクタリングは許認可なしでもサービスを提供できる状態となっているため、現時点では許可を取らなくてもサービスを提供している業者が大半です。
無許可でもサービスを提供できているのは良いことですが、信頼性をしっかり出せなければサービスに影響しているのも事実です。
今後は利用していく側もしっかり情報を確認し、安心して使える業者か調べておく必要があります。
将来的には許認可が出る可能性もあるため、業者側は情報を色々調べている点もあります。