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ファクタリングに利息制限法は適用されない│適用されるケースや適応されない理由について解説

近年、資金繰りに悩む中小企業のあいだで、ファクタリングという資金調達の方法が広く知られるようになってきました。売掛債権を譲渡して早期に現金化する仕組みは、銀行融資や手形割引とは異なる特徴を持っています。特に、入金期日前に資金を確保できる点は大きなメリットであり、「今すぐ資金が必要」という場面で活用される傾向が強まっています。
一方で、ファクタリングは金銭の貸し借りではないと説明されることが多いものの、「本当に返せなくなったらどうなるのか」「返済方法はどうなっているのか」といった疑問を抱く経営者も少なくありません。通帳への入金タイミングや、売掛先からの支払期日との関係、万が一支払遅れが発生した場合の扱いなど、確認すべきポイントはいくつもあります。事業を継続するうえで、資金繰りの安定は最重要課題の一つであり、判断を誤ると大きな負担につながる可能性もあります。
また、ファクタリングには対面での面談が必要な会社もあれば、オンラインで契約まで完結できる会社もあり、利用方法にも違いがあります。一般的な融資と比較すると審査の観点も異なり、売掛債権の内容や売却条件によって手数料のかかり方も変わります。資金を早く調達できる代わりに、一定のコストが発生するため、期間や費用を抑える工夫も重要です。
さらに、手形割引との比較や、債権の売却と貸付の違いを正しく理解しておかなければ、思わぬトラブルに発展するケースもあります。ファクタリングは資金を前倒しで受け取る手段であり、返済という概念とは本来異なる取引ですが、契約内容によっては性質が変化することもあります。

この記事では、ファクタリングの基本的な仕組みや利息制限法との関係、注意すべきポイントについてわかりやすく解説していきます。資金調達の方法を正しく理解し、自社にとって最も得られる選択をするための参考にしてください。

 

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そもそも利息制限法って何?

利息制限法とは、貸金業者が設定できる利息の上限を規定し、消費者を多重債務や高金利から保護する目的で制定された法律です。貸金業者が利息制限法で規定されている利息の上限を超えて利息を請求した場合、上限を超えた分の利率は無効となります。利息制限法は、多重債務者や高金利での契約を行った方が、破産者にならないために制定された法律でもあります。破産者が増加してしまうと、破産者は返済が不可能となるため、消費者にお金を貸した金融機関はもちろん、国にとっても大きな損失を受けることになります。しかし、利息制限法が制定されたことによって、銀行などの金融機関が設定できる利息の上限が規定されたため、破産者の数は減少傾向になりました。

利息制限法で規定されている上限金利

利息制限法では、元本額に応じて利息や遅延損害金の上限が定められています。例えば、元本が10万円未満の場合の利息は年率20%まで、100万円未満の場合は年率18%までのように定められています。利息制限法が適用される金銭消費貸借では、元本以外の金銭は、原則すべて利息に含まれます。そのため、事務手数料や調査料といった金銭にも利息制限法が適用されます。

ファクタリングに利息制限法は適用されない

ファクタリングは、企業や個人から売掛債権を買い取り、買い取った債権の管理・回収を行う「売掛債権の売買サービス」を業としています。このようなファクタリングの性質は、金銭の貸し借りには該当しないため、ファクタリングは貸金業ではありません。実際に金融庁も「ファクタリングは貸金業ではない」ということを明言しており、貸金業にあたらないファクタリングには利息制限法は適用されません。ファクタリングでは、利息ではなく手数料が発生しますが、手数料に対して利息制限法が適用されないため、ファクタリング会社が自由に手数料を設定することができます。そのため、ファクタリング会社が利息制限法で定められている上限利息を超える手数料を設定したとしても違法にはなりません。しかし、ファクタリングの手数料相場は、2社間ファクタリングで10~20%、3社間ファクタリングで1~9%となっているため、それ以上の手数料を設定しているファクタリング会社は利用しないようにしましょう。

ファクタリングと貸付の違いをもう一度整理

ファクタリングと貸付は、どちらも資金を得る手段であるため混同されやすいですが、仕組みや契約形態はまったく異なります。まず貸付は、金融機関などからお金を借り、その後決められた返済方法に従って元本と利息を支払わなければならない取引です。「返せなくなったらどうなるのか」という不安が常につきまとい、信用情報や経営状況が大きく影響します。一般的に審査では信用や過去の取引履歴が重視され、借りた金額に応じた費用や利息を負担する必要があります。
一方、ファクタリングは売掛債権を売却し、資金化するサービスです。お金を借りるのではなく、将来入金予定の売掛金を直接現金化する仕組みであるため、返済という概念は本来ありません。売掛先からの入金が不能となった場合でも、契約条件がノンリコースであれば利用者が返せと言われることはありません。この点が、貸付との大きな違いです。
また、手続きの流れにも違いがあります。貸付の場合は多くの書類提出が求められ、場合によっては担保設定や登記等が必要となることもあります。それぞれの契約形態によっては面談や詳細な事業計画書の提出が必要になるケースもあり、資金調達までに時間がかかることが少なくありません。対してファクタリングは、売掛債権の内容を確認できれば最短で資金化できるケースもあり、スピード面で優れています。
さらに重要なのは、信用情報との関係です。貸付は借入として記録されるため、信用情報に影響を与えます。しかし、ファクタリングは債権の譲渡であり借り入れではないため、原則として信用情報に登録されることはありません。経営上の信用を守りたい企業にとっては安心できる要素と言えるでしょう。
ただし、すべてのファクタリングが同じとは限りません。償還請求権付きの契約や、実質的に貸付と変わらない条件が付いている場合もあります。そのため、契約書の内容を十分に確認し、知らないまま不利な条件で契約しないよう注意が必要です。第1に確認すべきポイントは「返済義務があるかどうか」、第2に「費用の内訳が明確かどうか」です。

貸付は安定した資金調達方法として利益を得やすい反面、返済負担があります。ファクタリングはコストが高くなる傾向があるものの、借り入れではないという強みがあります。それぞれの状況に応じて適切な方法を選ぶことが、経営を安定させるための重要な判断となります。

2社間・3社間ファクタリングで利息制限法の考え方は変わる?

2社間ファクタリングと3社間ファクタリングでは、利息制限法の適用に違いがあるのではと疑問に感じる方も多いかもしれません。しかし結論から言えば、契約の形式が2社間か3社間かという点だけで、利息制限法の考え方が大きく変わるわけではありません。重要なのは「実質が借入にあたるかどうか」という点です。
2社間ファクタリングは、利用者とファクタリング会社の間で契約が完結し、売掛先へ通知を行わないのが一般的です。資金が最短で現金化しやすく、資金繰りの悪化を早期に解決できる手段として利用されています。一方、3社間ファクタリングは売掛先にも通知を行い、額面通りの債権譲渡を前提に進める形式です。透明性が高く、手数料も比較的低く抑えられる傾向があります。
では、利息制限法との関係はどうでしょうか。ファクタリングは本来、債権の売買であって金銭の貸し借りではありません。そのため、2社間でも3社間でも、通常の売掛債権譲渡であれば利息制限法は適用されません。借入ではなく、売掛債権を現金に変える取引だからです。
ただし注意が必要なのは、形式上はファクタリングであっても、実質が「売掛債権を担保にした貸付」である場合です。例えば、万が一売掛先が支払い不能となった時に利用者が返済義務を負う契約や、分割払いで資金を返していく内容になっている場合は、実質的に借り入れと判断される可能性があります。その場合は利息制限法が適用され、上限を超える利息は無効になります。

つまり、2社間だから危険、3社間だから安全という単純な話ではありません。大切なのは契約内容をしっかり確認することです。申込時には下記の点を確認しておくとよいでしょう。

・返済義務があるかどうか
・償還請求権の有無
・手数料の計算方法
・分割払いの条件が含まれていないか

ファクタリング会社の実績や支援体制、説明の分かりやすさも判断材料になります。知識がないまま契約してしまうと、その後思わぬトラブルにつながることもあります。資金調達は経営に直結する重要な選択です。それぞれの仕組みを理解し、自社の状況や目的に応じて冷静に選ぶことが、安心して活用するためのポイントと言えるでしょう。

ファクタリングで利息制限法が適用されるケース

ファクタリング会社が業としている「売掛債権の売買サービス」は、貸金業に該当しないため、利息制限法は適用されません。しかし、売掛債権を担保とした貸付や償還請求権がある契約など、実質的に貸金業にあたる業務を行っている場合は利息制限法が適用されます。利息制限法が適用されるケースは以下のとおりです。

1.償還請求権がある

ファクタリングは、原則として償還請求権のない契約となります。ファクタリング利用者は、売掛債権譲渡後に売掛先が倒産や経営悪化などの理由により、ファクタリング会社への支払いが不能となった場合でも、未回収となった売掛金を請求されることはありません。なぜなら、ファクタリング会社が売掛金の未回収リスクを背負う代わりに、ファクタリング利用者はリスクに応じた手数料を支払うからです。ファクタリング会社で償還請求権のある契約を行う場合、ファクタリングと名乗った売掛債権を担保とした貸付である可能性が高いといえるでしょう。売掛債権を担保とした貸付を行う場合は、金銭の貸し借りにあたるため、貸金業登録が必要となります。また、貸金業登録が必要となる業務であるため、利息制限法も適用されます。

2.買戻し請求権がある

買戻し請求権とは、売掛先がファクタリング会社へ売掛金の支払いが不能となった場合に、ファクタリング会社が最初の債権者(ファクタリング利用者)に買い取った売掛債権を買い戻すように請求できる権利です。意味合い的には、償還請求権と似ていますが、償還請求権は売掛金を請求できる権利であるため、買戻し請求権とは異なります。買戻し請求権がある場合は、ファクタリング利用者がファクタリング会社の背負っているリスクに対して手数料を支払っているのにもかかわらず、実質ファクタリング会社はリスクを背負っていないことになります。このような場合は、金銭の貸し借りと変わらない機能を有しているため、貸金業となります。そのため、買戻し請求権のある取引では利息制限法が適用されます。

3.担保・保証人が必要となる

ファクタリングは、担保・保証人不要で利用することができる資金調達方法です。ファクタリングの利用に、担保・保証人が必要となることは原則ありません。しかし、ファクタリング会社を装い、貸付を行う違法業者の場合は、担保・保証人を要求するケースがあるようです。担保・保証人が必要となる場合は、貸金業にあたるため利息制限法が適用されることとなります。

4.分割返済に対応している場合

ファクタリングでは、売掛金から手数料を差引いた買取金額が1度で振り込まれるため、分割返済に対応していません。そもそもファクタリングには「返済」という概念がありません。返済の伴う取引は、貸金業にあたるため利息制限法が適用されます。また、ファクタリング会社が「分割返済OK」とうたっている場合は、金銭の貸付を行う違法業者である可能性が非常に高いといえるでしょ。

5.高金利で貸付を行っている

ファクタリング会社の中には、貸金業登録を行わずに売掛債権を担保とした貸付を行っている会社もあります。また、ファクタリングと同等に高金利で貸付を行っている場合があります。売掛債権を担保とした貸付は、貸金業にあたるため利息制限法が適用されます。そのため、利息制限法で規定されている上限利息以上の高金利で貸付を行っている場合、違法とみなされ、過払い金の返還を要求することができます。

こんな契約内容は要注意!チェックすべきポイント

ファクタリングを活用する際は、手数料の高さだけでなく、契約内容そのものを十分に確認することが重要です。営業担当から「この条件なら問題ありません」と言われただけで判断してしまうと、後から大きく不利な内容に気づくケースもあります。特に、借り入れではないと説明されているのに、実質的に返済や分割払いが発生する契約になっていないかは注意すべきポイントです。
例えば、「売掛先が支払不能になった時は利用者が払い戻す」といった条項がある場合、形式上はファクタリングでも、実質は借りと変わらない内容になっている可能性があります。このような条件は悪質業者に多い傾向があり、高額な報酬を請求される原因にもなります。少額の資金調達のつもりが、結果的に大きな負担になることもあるため心配は尽きません。
また、手数料が相場より極端に低い場合も注意が必要です。審査が簡単に通過することを強調し、「土日でも即日実施可能」などと強くアピールする会社の中には、後から別名目の費用を求めるケースもあります。契約書(書面)に記載されている手数料の種類や計算方法を確認し、どこまでが対象で、追加費用がかからないのかを明確にしておくことが大切です。
どちらの契約形態(2社間・3社間)を選ぶほうがよいか悩みがある場合も、まずは契約条件を比較することが重要です。経験が少ない場合でも、疑問点はその場で質問し、納得できる説明を受けてから進めましょう。少しの手間を惜しまず確認することが、後悔しない資金調達につながります。ファクタリングは便利な仕組みですが、契約内容のチェックが何よりも重要なのです。
下記ではさらにチェックすべきポイントを深堀して解説していきます。

契約書に「返済」「分割」の文言がある

ファクタリングは本来、売掛債権を譲渡して資金を受け取る取引であり、「返済」という概念はありません。そのため、契約書に「返済」「分割払い」等の文言が記載されている場合は注意が必要です。一見すると柔軟な支払い方法を設けているだけのように見えるかもしれませんが、実質的に利用者が返済義務を負う内容になっている可能性があります。
たとえば、売掛先からの入金がなかった時に利用者が一定の割合で支払いを求められる条項や、分割での支払いを決める内容がある場合、それは売買ではなく貸付に近い性質を持つことになります。本来であれば売掛債権を譲渡した時点で責任は移転するわけであり、追加のコストがかからない形が基本です。それにもかかわらず、利用者側が負担を負う仕組みになっている場合は、トラブルの原因になりかねません。
また、契約書の表現があいまいで、「一定日数経過後に精算する」などの文言があるケースもあります。こうした条項は一見問題がないように見えても、実際には返済義務を設けていることがあります。運営会社の説明だけで判断せず、書面の内容をご覧いただければ、不自然な点に気づくこともあります。
資金繰りを改善し、コストを抑えたいと考えてファクタリングを活用するのであれば、契約条件の確認は最重要ポイントです。取引先や給与の支払い等に影響が出ないよう、十分に理解した上で契約を結びましょう。疑問がある場合はサポート窓口に確認するほうが、将来的なトラブルを防ぐことにつながります。

手数料の計算方法が不透明

ファクタリングを利用する際に、特に注意したいのが手数料の計算方法です。公式サイトでは「手数料は低め」「業界最安水準」などと記載されている場合でも、実際の契約内容をよく確認すると、さまざまな名目で費用が加算されているケースがあります。表面的な数字だけで判断するのではなく、どのような計算で最終的な支払額が決まるのかを重視することが重要です。
例えば、額面に対して何%という説明があっても、その割合がどの期間を基準にしているのか、事業資金として受け取る金額に対して実質どれだけ差し引かれるのかを確認しなければなりません。仮に「手数料10%」と聞けば低いほうだと感じるかもしれませんが、短い期間での利用にもかかわらず追加費用が上乗せされる場合、実質負担は想像以上に大きいこともあります。
悪徳業者の中には、申し込み後に担当者から「別途事務手数料がかかります」「審査料が必要です」などと説明し、当初の説明と異なる条件を提示するところもあります。経営者が急ぎで資金を得る状況では、細かい確認をせず承諾してしまうこともありますが、それが後々の負債リスクにつながる可能性があります。
また、複数社から見積もりを取らずに1社だけで決めてしまうのも危険です。同じように見える条件でも、計算方法が異なれば最終的に受け取れる金額は変わります。比較検討を行うことで、よりスムーズに納得できる契約を結ぶことができます。
手数料の説明が曖昧なまま契約を締結するのではなく、「どの費用が含まれているのか」「最大でいくらかかる可能性があるのか」といった点を確認することが大切です。透明性のある会社を選ぶことが、安心してファクタリングを活用するためには大事です。

担保や保証人の記載がある

ファクタリングは本来、売掛債権の譲渡によって資金を調達する仕組みであり、担保や保証人を用意する必要はありません。ところが、契約書の中に不動産担保や保証人に関する記載がある場合は注意が必要です。これは売買型ではなく、貸付型に近い契約になっている可能性があるからです。本来のファクタリングであれば、売掛債権そのものが対象となるため、追加の担保を求められることはありません。
例えば、「不動産を担保に差し入れる」「代表者が連帯保証人になる」といった条項があれば、それは金銭の貸し借りに近い内容です。こうした条件が付くことで、返済不能になった場合の責任が大きくなり、赤字経営の企業にとってはさらに負担が増えかねません。利用可能と説明されていても、内容をよく確認しなければ思わぬリスクを抱えることになります。
また、長い契約期間や複数回にわたる返済条項が設けられている場合も注意が必要です。ファクタリングは原則として単発型で完結する取引ですが、分割返済型に近い契約は貸付に該当する可能性があります。場合によっては、日本貸金業協会の登録対象となる業務に近い形態であり、貸金業法違反にあたるケースも挙げられます。
最近では、インターネット上で「保証人なし」「審査が甘い」と強調する広告も増えていますが、詳細を確認すると別途担保が必要な場合もあります。最新の情報や利用実績、累計件数などを参考にしつつ、契約書の記載内容を慎重に確認することが重要です。
ファクタリングを選ぶ際は、担保や保証人を求められないかどうかを一つの目安にするとよいでしょう。もし担保提供を求められる場合は、その契約が本当にファクタリングなのかを改めて検討すべきです。安易に承諾せず、自社にとって適切な手段かどうかを冷静に判断するようにしましょう。

ファクタリングの利息・手数料に関する注意点

ファクタリングは、利息制限法が適用されない資金調達方法であるため、契約の際に利息・手数料に関して注意しなければいけない点がいくつかあります。ファクタリングの利息・手数料は、今後の企業活動にも少なからず影響を与える損失であるため、注意点について理解しておきましょう。ファクタリングの利息・手数料に関する注意点は以下のとおりです。

1.ファクタリング会社の未回収リスクにより変動する

ファクタリングの利息・手数料は、ファクタリング会社が背負う未回収リスクにより変動します。例えば、売掛先が過去に金融事故を起こした企業や起業して間もない企業の場合は、未回収リスクが高くなるため、利息・手数料も高く設定されます。逆に売掛先が大企業の場合や公的機関との取引がある場合は、未回収リスクが低いと判断され、利息・手数料は低く設定されます。このようにファクタリングの利息・手数料は、ファクタリング会社の未回収リスクに応じて変動します。

2.ほかの資金調達方法よりも高い

ファクタリングの手数料は、ほかの資金調達方法と比べ、高く設定されています。なぜなら、ファクタリングでは融資ほど入念な審査を行っていないからです。そのため、銀行からの融資よりも貸し倒れ・未回収リスクが非常に高くなっています。ファクタリングの手数料相場は、2社間ファクタリングで10~20%となっていますが、これは年利に換算すると120~240%となります。これは利息制限法により、年利が15~20%と規定されている融資やビジネスローンよりも格段に高い手数料となります。ファクタリングを利用する際は、他の資金調達方法よりも利息・手数料が高い点を理解しておきましょう。

3.違法業者が存在している

ファクタリングは近年広まったサービスであり、法整備が追い付いていないため、ファクタリング会社を装い、売掛債権を担保とした融資を行う違法業者が存在しています。そのため、ファクタリングを利用する際は、利用を検討しているファクタリング会社についてリサーチを行う必要があります。売掛債権を担保とした融資を行う場合は、貸金業登録が必要となるため、貸金業登録を行っている会社なのか確認するようにしましょう。

ファクタリングを装った違法業者を利用してしまった場合の対処法

ファクタリングは、主に売掛債権の売買サービスを提供しており、貸金業登録なしでも開業することができます。しかし、貸金業登録が必要となる貸付や融資を行っているなど、ファクタリング会社を装った違法業者が存在します。違法業者を利用してしまった場合は、まず貸金業の登録の有無について確認しましょう。融資や貸付など、実質的に貸金業にあたる業務を行っており、貸金業登録がない場合は、利息制限法を超えた利息に対して過払い金請求を行うことができます。また、ファクタリングの専門知識を持った弁護士へ相談することで、個人では行うことが難しいさまざまな対策を講じてくれます。相談だけなら無料で受けている弁護士事務所も多いため、ファクタリングを装った違法業者を利用してしまった場合は、弁護士に相談をしましょう。

利息制限法以外に関係する法律はある?

ファクタリングを検討する際、多くの方は利息制限法との関係を気にしますが、実はそれ以外にも関係する法律がいくつかあります。取引の内容によっては、貸金業法や出資法などが問題になるケースもあるため、基本的な知識を押さえておくことが大切です。
まず貸金業法は、金銭の貸付を業として行う場合に適用される法律です。ファクタリング自体は売掛債権の売買であり、原則として貸付にはあたりません。しかし、契約内容によっては実質的に貸付と判断されることがあります。例えば、売掛債権を担保にして資金を渡し、その後利用者が返済義務を負う形式であれば、利息制限法だけでなく貸金業法も適用されます。この場合、貸金業登録が必要となり、登録を行わずに営業していれば違法とみなされる可能性があります。
また、出資法も関係してきます。出資法では、一定の上限を超える高金利を設定することが禁止されています。仮にファクタリングを装って貸付を行い、法定上限を大きく超える金利を取っていた場合、出資法違反にあたる可能性があります。近年は資金需要の増加に合わせて、こうしたトラブルも増えつつあります。
さらに、民法上の債権譲渡のルールも無視できません。債権譲渡には通知や承諾といった要件があり、これを満たさないと第三者に対抗できない場合があります。ファクタリングの契約内容そのものが適法であっても、手続きが不十分であればトラブルに発展することもあります。
つまり、ファクタリングは利息制限法の対象外だから安心というわけではありません。契約内容や実態に合わせて、複数の法律が関係してくる可能性があるのです。表面的な説明だけで判断するのではなく、契約内容そのものが法律に反していないかどうかを確認する姿勢が重要です。少しでも不安があれば、専門家に相談することがトラブル防止につながります。

貸金業法との関係

ファクタリングと貸金業法の関係を理解するうえで大切なのは、「形式」ではなく「実質」で判断されるという点です。貸金業法は、金銭の貸付を業として行う場合に適用される法律であり、登録を受けずに営業することは認められていません。ファクタリングは本来、売掛債権の売買であって貸付ではないため、通常は貸金業法の対象外とされています。
しかし、契約内容によっては注意が必要です。例えば、売掛債権を譲渡したにもかかわらず、売掛先が支払不能になった場合に利用者が弁済義務を負う契約や、実質的に分割返済を前提とした内容になっている場合は、貸付と同様の性質を持つと判断される可能性があります。このような場合は貸金業に該当し、登録や法令遵守が求められます。
つまり、「ファクタリング」と名乗っていても安心とは限りません。契約の中身を確認し、貸付に近い要素が含まれていないかを見極めることが重要です。表面的な説明だけでなく、実際の条項までしっかり確認する姿勢がトラブル防止につながります。

出資法との違い

利息制限法とよく比較される法律に出資法があります。どちらも金利に関する規制を定めていますが、目的や適用の仕方には違いがあります。利息制限法は、上限を超える利息部分を無効とする民事上のルールです。一方、出資法は一定の上限金利を超えると刑事罰の対象となる、より厳しい法律です。
ファクタリング自体は貸付ではないため、通常は利息制限法も出資法も直接は適用されません。しかし、実態が貸付であるにもかかわらず高金利を設定している場合は、出資法違反に問われる可能性があります。特に、年率換算で極端に高い負担となる契約は慎重に確認する必要があります。
出資法は刑事責任が問われる法律であるため、違反した場合のリスクは非常に大きいものです。利用者としても、明らかに相場を超える手数料や不自然な計算方法が提示された場合は、一度立ち止まって検討することが重要です。単に「高いか安いか」ではなく、その取引が法的に適切かどうかを見極める視点が求められます。

金融庁の見解

ファクタリングに関しては、金融庁も一定の見解を示しています。基本的には「売掛債権の売買であれば貸金業にはあたらない」とされていますが、実質的に貸付と変わらない場合は貸金業に該当する可能性があるという立場です。つまり、名称よりも中身が重視されるということです。
近年はファクタリング市場の拡大に伴い、貸付と区別がつきにくいサービスも増えています。そのため、金融庁や各地の財務局は、利用者に対して注意喚起を行っています。特に、償還請求権がある契約や、売掛債権を担保とした実質的な融資については、慎重な判断が必要とされています。
利用者としては、「金融庁が認めているから安心」という単純な理解ではなく、自分が結ぶ契約が本当に債権売買にあたるのかを確認することが大切です。不明点がある場合は、専門家に相談するなどしてリスクを最小限に抑える姿勢が、健全な資金調達につながります。

まとめ

今回は、ファクタリングに利息制限法が適用されるケースと適応されない理由について解説させていただきました。ファクタリングは売掛債権の売買サービスを業としているため、原則利息制限法が適用されません。しかし、ファクタリング会社の中には貸金業登録を行い、売掛債権を担保とした融資にも対応しているケースもあります。この場合は利息制限法が適用されるため、上限利息を超える利息は設定できません。また、貸金業登録を行わず高金利な貸付を行う違法業者が存在していることも事実です。ファクタリングを利用する際は、貸金業登録の有無を確認し、自社の目的に応じた資金調達方法を選択するようにしましょう。

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MSFJ株式会社 広報部長

国立大学卒業後、ノンバンクでの8年勤務したのちファクタリング会社に就職。貸付ではないファクタリングというサービスに可能性を感じ約10年ファクタリングについてのコラムを執筆し、今後変わりゆくファクタリング業界についての最新情報発信を現在行なっています。
保有資格 ファイナンシャルプランナー、貸金業務取扱主任者
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