ファクタリングにも当然法律というものが用意されており、ルールの範囲内でサービスを提供しなければなりません。
ルール違反をしている業者はサービスを提供しているのではなく、悪質な業者として認められるため、利用すべきではありません。
安心して利用するためにも、法律について理解する必要があり、どのようなルールによって安心してサービスが提供できるのか知っておきましょう。
この記事では、ファクタリングと法律について説明していきます。
ファクタリングは法律の範囲でサービスを提供している
ファクタリングは法律の範囲でサービスを提供し、ユーザーの売掛債権を譲ってもらい現金に交換しています。
ルールの範囲を超えてしまうとサービスを提供し続けられない状況となってしまいますので、すべての業者はルールを守るようにしてサービスを提供するのです。
法律というのは業者側が従わなければならないルールであり、記載されている内容をしっかり守らなければサービスを提供できなくなります。
すべての業者は法の下でサービスを提供できるように調整しており、利用する側にも安心して使えるようにしているのです。
法律違反をしている業者は闇金と変わらない
法律違反に該当しているサービスを提供している場合、提供しているサービスがファクタリングのように思われても違反行為での資金調達になります。
サービスを提供しているように見せかけて、実は裏で法律に違反しているサービスだったと後から判明するようなケースが実は多いのです。
こうした問題を起こしているのが闇金であり、利用している人をどん底に落とすためにサービスを提供しています。
具体的に法律違反に該当するものは次のとおりです。
・ 利用者側が同意しないのに勝手に売掛債権を現金化した
・ 3社間を利用する際に売掛先の同意を取らずに現金化した
・ サービスを提供するふりをして高利貸しをしている
基本的に利用者が同意しなければファクタリングというのはできないサービスですので、同意しないで適当にサービスを提供しているのは違反行為です。
また、3社間を利用する場合は売掛先に相談して同意を取らなければなりませんが、同意を取らないまま勝手に現金化しているのも違法行為なのです。
他にも高利貸しや手数料を偽装してサービスを提供しているなど、お金を貸す方向でサービスを提供しているところはすべて闇金と判断して構いません。
本当に怪しい業者は利用するだけで大きな損をしてしまいますので、法律などをしっかり覚えておき、仕組みを理解してからサービスを利用するように心がけてください。
なお、次に該当している業者はすべて違反業者ですので利用しないように気をつけましょう。
・ 分割払いができるように見せている業者
・ 債権の一部だけを買い取れると示している業者
・ 担保や保証人を要求している
・ 個人の給料を買い取りしているサービス
すべての業者は違反行為に該当している他、サービスを偽装して提供しているケースが多くなっているため、利用してはいけません。
売掛債権は全て買い取ってもらう必要がありますので、一部だけ買取るという方法は使えなくなっていると知っておきましょう。
また、担保や保証人は必要ありませんので、要求されているときはおかしいものと判断して行動したほうが無難です。
ファクタリングが法律で認められている理由
ファクタリングが法律で認められている背景には、次の要素があります。
1. 民法で認められている項目がある
2. 債権の譲渡は法律違反に該当していない
3. 相手の承諾を得なくても売掛債権は譲渡できるため
ファクタリングは民法で認められているサービスであり、法の穴をすり抜けて提供しているわけではないのです。
また、債権の譲渡は認められている行為ですので、必要であれば譲渡してサービスを提供してもいいことになっているのです。
相手の承諾を得なくても売掛債権が譲渡できる方法も準備されていると判断すれば、ファクタリングが認められているのはすぐに把握できます。
ここからは、法律で認められている要素について詳しく説明します。
1.民法で認められている項目がある
ファクタリングは民法で認められているものであり、安心して提供されているサービスの1つとなっています。
実際に民法の466条や467条に記載されている内容が法律として債権譲渡を認めており、売掛債権を売却してもいい根拠として残されています。
民法で債権についての情報がしっかり記載されているので安心して利用できるのは間違いありませんし、不安を持たなくても安心してサービスを使えるのです。
実際に民法で記載されているのは次の内容です。
・ 指名債権の譲渡は譲渡する人が債権者に通知して許可を取る必要がある
・ 債権者以外の第三者は対抗する手段を持っていない
・ 売買が財産権を相手に渡すことによって成立している
民法で記載されている中で、最初に紹介している2つは3社間ファクタリングで適用されている法律の1つです。
債権の譲渡をする場合は、債権者に通知した上で許可を取って売却する必要があり、勝手に第三者に売却して処理してはいけないとされています。
債権者以外は対抗する手段を持っていませんので、業者側が成立していると言っても債権者側が駄目と判断した場合3社間は成立していないのです。
他にも2社間は相手に通知しなくても財産権を相手に渡しておけば成立するという方法を明記しており、債権者が知らなくてもサービスを提供できるのです。
2.債権の譲渡は法律違反に該当していない
債権の譲渡は法律違反に該当している行為ではありません。
民法では債権の譲渡はすべて問題のないものとして記載されており、譲る場合には適切な方法によって譲って処理してもいいことになっています。
民法の555条に2社間に関連している項目が記載されていますが、基本的に債権を譲っても代金さえもらえれば問題なく成立しているサービスと判断できるのです。
一方で次の内容は法律によって認められていないため利用してはいけません。
・ 債権を譲渡しても代金を支払ってもらえないような行為
・ 債権を売掛先の許可なく3社間で処理している行為
・ 売掛債権を採用してお金を借りている行為
民法で認められているのは債権を譲渡して売上を計上してもいいというものであり、代金を支払っていない行為はただの譲渡でサービスが成立していません。
また3社間は許可なくサービスを提供してはいけないとされているため、債権の譲渡に応じられないと告げられた場合は説得するなどして認めてもらうしかありません。
当然ですが、売掛債権を別の用途で利用しているなどの行為は違反に該当するため、利用すると摘発される恐れがあります。
法律で規制されている範囲内でサービスを利用していくのが重要であり、債権を譲渡してお金をもらうという行為だけで利用していくのが重要です。
3.相手の承諾を得なくても売掛債権は譲渡できるため
3社間では相手の承諾が必要不可欠となっていますが、2社間については承諾なく利用しても構わないというのが記載されています。
民法の466条に記載されている内容に、「売掛先に承諾を取る必要がない」と記載されていますので、2社間については承諾しなくてもサービスを提供して構わないのです。
相手の承諾をとらなくてもサービスを利用できるため、2社間を利用している人が多くなっているのは手軽さも影響しているのは間違いないことです。
しかし、相手の承諾をとらないために後からトラブルになる危険性についてはしっかり考えておきましょう。
ファクタリングでの法律違反は起こるのか?
基本的にファクタリングサービスを提供している業者の全ては、法律の範囲内でサービスを提供しているため違反というのは起こらなくなっています。
ルールを守っていないと判断されれば金融庁から指摘が入りますし、サービスを提供できないような状況に追い込まれてしまうため業者側が危険にさらされます。
しかし、ファクタリングサービスのように見せかけている業者については遠慮なく違反行為を実施してくるため、利用する際は注意してください。
特に気をつけるべきポイントは次の内容です。
・ 個人に対してサービスを提供している業者
・ 異なるサービスを提供している業者
・ 債権額に対して明らかに金額が少ない業者
法律に違反している行為として、個人ファクタリングというのはできないサービスとなっています。
個人ファクタリングは給与を対象としているケースが多くなっていますが、利用すると明確に法律違反に該当してしまい、提供した業者は摘発されてしまいます。
以前は給与を対象としていた業者が確認されていましたが、金融庁から規制されたことにより法律違反と判断されたため提供されなくなりました。
また、異なるサービスを提供している次の業者は利用してはいけません。
・ 売掛債権を譲渡するのではなく貸金目的で預かる
・ 売掛債権の額面に記載されている金額を貸す
ファクタリングは売掛債権の譲渡によって金銭を渡す行為であり、額面に記載されているお金を貸すなどの行為は認められていません。
また、貸金目的で譲渡してもらうという方法も認められないものですので、間違っても貸金を提供している業者に対して利用しないように心がけてください。
他にも債権額に対して明らかに金銭が少なく、受け取れる数字が少ないものは危険と判断して構いません。
基本的に法律違反に該当している行為をしているのは闇金以外あり得ないため、おかしい状況を作っているサービスを利用しないように心がければ失敗はありません。
ファクタリングの法律まとめ
ファクタリングには法律が適用されており、すべての業者は法律のルールに従ってサービスを提供するようにしています。
法律と言っても売掛債権の譲渡に関連している項目が主体となっていますので、譲渡のルールにさえ従っていれば基本的に問題なくサービスを提供できます。
しかし、法律を悪用してサービスを提供している業者がいるのは間違いありませんので、おかしいサービスを提供している業者には近づかないようにしてください。
特に闇金は似たようなサービスを提供しているため、気づかないうちに利用している可能性がある点に注意が必要です。